記事登録
2008年09月20日(土) 12時50分

異臭あんこは中国の青島で製造産経新聞

 長野市の食品製造販売会社「丸生(まるせい)本店」の従業員2人があんこを味見し、嘔吐(おうと)や手足のしびれを訴えた問題で、あんこは長野市の食材販売会社「丸冨士」が中国に持つ合弁企業の工場で作られていたことが20日、分かった。
 長野市保健所が19日に実施した簡易検査では、有機リン系などの化学物質は検出されなかった。また、2人の血液を検査した結果、有機リン系農薬を摂取した際に上昇するコリンエステラーゼという酵素は、正常値だった。
 食品衛生監視員が問題のあんこを調べたが、異臭は感じなかったという。しかし、当初、2人の従業員は「石油のようなにおいがした」と話していることから、同保健所と長野県警が成分を詳しく調べている。
 納入業者によると、問題のあんこは3月に中国・青島市の合弁企業の工場で製造された砂糖入りの小倉あん。密封し、1袋5キロ入り4袋を1箱に梱包(こんぽう)された後、船で日本に運ばれた。賞味期限は1年間。
 厚生労働省によると、6月28日に青島港で積み込まれ、7月2日に横浜港に到着していた。127箱が同時に輸入されていた。
 あんこは食品衛生法上、加工食品のため、残留農薬の基準値がなく、農薬の検査は行われない。一定の頻度で食品添加物の検査は実施されるが、問題のあんこは検査されなかった。
 納入業者は「問題があったのは7月中旬以降に輸入した約270箱のうちの1袋だけ。製造過程で何かが混入したとは考えにくい」と説明した。

【関連記事】
異臭あんこ、味見し嘔吐 長野市の食品製造会社
【事故米不正転売】「まさかうちが…」外食産業は困惑
天洋食品の9人が容疑濃厚 中国当局、ギョーザ事件で
汚染ミルク問題 中国で不安広がる 大手メーカーも
ウナギ産地偽装で書類送検 茨城県警

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080920-00000917-san-soci