記事登録
2008年09月20日(土) 08時02分

薬害肝炎全面解決へ 原告団と田辺三菱 28日に基本合意産経新聞

 薬害C型肝炎訴訟で、被告企業の「田辺三菱製薬」(大阪市、旧ミドリ十字)は19日、同社などが薬害発生の責任を認めて謝罪し、再発防止に努力するとの内容の基本合意書を全国原告団と締結すると発表した。原告側は係争中の訴訟で同社に対する賠償請求を放棄、訴訟を終結させる方針。事実上の和解となる基本合意書は28日に締結される。

 薬害肝炎をめぐっては、すでに患者らに給付金を支払う救済法が今年1月に成立。原告団と国が2月に和解しており、一連の訴訟は提訴から約6年を経て「全面解決」に向かう。

 今回の合意書は当初、8月中に締結される見通しだったが、原告団が田辺三菱側に対し、原告全員との訴訟上の和解を求めたため、同社側は1審判決で血液製剤投与の事実が認定されなかった敗訴原告との和解に難色を示していた。

 原告団は同社との交渉で、原告側が提示した合意書案を同社が全面的に受け入れ、薬害HIV訴訟などで実現しなかった被告企業との継続協議も盛り込まれたことから、訴訟を終結させることにした。

 双方は28日午後に大阪市内で集会を開催。同社と子会社べネシスの両社長らが原告団に謝罪、合意書を締結する。残る被告企業の日本製薬(東京)とも交渉を始め、田辺三菱との合意内容に沿った解決を図る。

 原告団の山口美智子代表は「被告企業が加害企業であることに変わりはない。協議を持ちながら薬害根絶に向けた企業への追及を緩めることはできない」とのコメントを出した。

【関連記事】
根絶へ大きな一歩「責任、忘れるな」 薬害肝炎訴訟
薬害肝炎訴訟、提訴から6年 田辺三菱と原告団が基本合意締結へ
薬害肝炎訴訟の原告女性、企業側と和解
国立・大学病院に職員派遣 薬害肝炎で投与記録確認へ
薬害肝炎訴訟原告団1000人超える

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080920-00000070-san-soci