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2008年09月19日(金) 20時51分

薬害肝炎、製薬側社長が直接謝罪へ…基本合意締結を表明読売新聞

 薬害C型肝炎集団訴訟で、被告の田辺三菱製薬(大阪市、旧ミドリ十字)は19日、被害発生の責任などを認めた基本合意書を28日に原告側と締結し、葉山夏樹社長が原告らに直接謝罪すると正式に表明した。

 その後、原告側は同社への損害賠償請求を放棄する。薬害C型肝炎被害者救済法が成立した1月以降、原告側と国は各地の地・高裁で和解しており、集団訴訟は全面解決に大きく前進した。

 同社と親会社「三菱ケミカルホールディングス」はこれまでに取締役会をそれぞれ開き、原告側から示されていた基本合意書案を承認した。

 基本合意書案では、同社が「被害が生じ、拡大を防げなかった責任を認め、深くおわびする」と明記。418人の症例リスト掲載者の中に、感染を知らずに病状が進行した人がいる−−などの事実を踏まえ、命の尊さを再認識し、再発防止に最大の努力をする、としている。

 原告側と継続協議する場を設けて、被害実態調査などについて協力しあうことも盛り込んでいる。

 被告企業では日本製薬(東京)とも協議が継続中。同社は旧ミドリ十字とは別の血液製剤を製造し、全国の原告1060人中33人が被害を訴えている。

 全国原告団の山口美智子代表は「基本合意書を締結するとはいえ、原告にとって加害企業であることに変わりない。企業との協議を持ちながら、薬害根絶や一般肝炎対策の実現に向けて今後も闘い続ける」とコメントした。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080919-00000058-yom-soci