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2008年09月19日(金) 14時46分

薬害肝炎訴訟が全面解決へ=田辺三菱が謝罪、原告は請求放棄時事通信

 薬害C型肝炎集団訴訟で、被告企業の田辺三菱製薬(旧ミドリ十字、大阪市)は19日、同社などが薬害発生の責任を認めて謝罪し、再発防止に努力する内容の和解基本合意書を原告団と締結すると正式に発表した。原告側は全員、賠償請求を放棄して訴訟を終結させる。原告と国とは2月に和解しており、訴訟は提訴からほぼ丸6年を経て全面解決に向かう。原告団は、被害者に給付金を支払う救済法が1月に成立し、原告側が提示した合意書案が全面的に受け入れられたことから請求放棄を決めた。
 双方は28日に大阪市内で集会を開き、同社と子会社「ベネシス」(大阪市)の両社長が公開の席上で原告団に謝罪した上で合意書を締結する予定。
 合意書案は、製薬企業が薬害の発生と拡大を防げなかったことの責任を認め謝罪するほか、青森県で集団感染が判明した1987年以降、被害実態調査を怠ったため医療記録が廃棄された事実や、薬害の可能性がある患者418人の症例リストを放置した事実などを踏まえ、企業が再発防止を誓う内容。また、企業は被害の実態調査や情報開示、新薬の開発などに努め、患者側との継続的な協議の場も設ける、としている。 

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