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2008年09月18日(木) 17時02分

薬害C型肝炎:元原告の緑区・中山さん、海外移植へ 知人らが救う会を結成 /愛知毎日新聞

 ◇ ◇「余命1年」宣告…「善意を」−−知人ら、費用総額7000万円を募金活動
 汚染された血液製剤でC型肝炎に感染した薬害肝炎名古屋訴訟の元原告、名古屋市緑区の中山晃一さん(37)が米国で肝臓の移植手術を受けられるようにと、知人らが救う会を結成し、募金活動に乗り出した。肝がんを発症し、医師から余命1年を宣告された中山さんには日本で臓器移植を待つ時間がないとして、救う会は協力を呼び掛けている。【月足寛樹】
 中山さんは中学2年の時、手術で輸血を受けた際に血液製剤を使用され、16歳の時にC型肝炎と診断された。短大を卒業して住宅メーカーに就職。結婚して長男(7)が生まれた。昨年3月に肝がんを発症。同年7月には薬害肝炎名古屋訴訟で勝訴したが、現在は自宅で療養中だ。
 両親が生体肝移植を申し出たが、持病などで適合せず、日本での脳死肝移植の道を探った。しかし現状では5年以上も待たなくてはならず、病の進行も早いため、家族らは海外での移植を決断した。
 海外での移植には保険が適用されず、知人らは治療費や滞在費など約7000万円を捻出(ねんしゅつ)するため募金活動の実施を決めた。救う会の代表で中山さんの同僚の山田長政さん(46)は「中山君の『もう一度、息子とキャッチボールをしたい』という願いをかなえるため、みなさんの善意に訴えたい」と呼び掛ける。
 中山さんの妻友紀子さん(36)は「薬害で夫がこんな病気にならなくてはならないのかとやりきれなく思いますが、夫の『向き合うしかないんだ』との言葉を支えに、みなさんのご協力をお願いします」と話す。
 救う会は21日から毎週日曜と祭日に名古屋駅前などで募金活動を行う。募金の振込先などの問い合わせは電話052・800・3888。救う会のホームページは「http://www.koichihelp.com」。

9月18日朝刊

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080918-00000254-mailo-l23