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2008年09月18日(木) 19時00分

膨張する「金融ギャンブル」=CDS、邦銀も57兆円の取引時事通信

 米政府・当局による保険最大手AIG救済ではデリバティブ(金融派生商品)「クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)」が注目された。企業の破綻(はたん)リスクを売買するCDSは投資に対する保険効果を持つとされ、市場の混迷を背景に、世界的に取引が増加。国内でも大手銀行の取引残高(想定元本ベース)は5541億ドル(約57兆円)と1年間で倍増した。一方、CDSに深入りした米金融機関の危機が続く中、保険機能を維持できるのか懸念がくすぶっている。
 ◇ギャンブルに酷似
 世界のCDS残高は2007年末時点で62兆ドル強(約6500兆円)と2年間で4倍近くに膨張した。邦銀も昨年夏以降、金融市場が動揺する中、投資リスクを回避する狙いから、こぞってCDSを購入。日本銀行によると、大手銀行など13金融機関のCDS残高は今年6月末で5541億ドルと昨年6月末(2700億ドル強)から倍増した。
 しかし、CDSは相対で取引・転売され、対象企業の債券を保有していなくても購入できる。理論的には誰でも大手企業の倒産リスクに投機でき、ヘッジファンド関係者は「保険よりも、競馬や選挙など何にでも賭けられる英国の賭博『ブックメーカー』に仕組みは近い」と指摘する。 

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