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2008年09月17日(水) 18時01分

B型肝炎訴訟:「病気は日々進行」 原告の男性が意見陳述 /広島毎日新聞

 乳幼児期の集団予防接種でB型肝炎ウイルスに感染したのは「汚染された注射器を使い回したのが原因」として、県内の15人が国に損害賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が16日、広島地裁(能勢顕男裁判長)であった。
 原告は広島市などに住む男性10人、女性5人で、約5億円の支払いを求めている。15年前の献血で感染を知ったという原告の会社員、大田一成さん(41)は裁判冒頭の意見陳述で、「一生付き合う病気であり、最終的に肝臓ガンになる危険性に恐怖を覚えた。日々進行する病気に悩み苦しんでいる人が他にも大勢いる。1日でも早い問題解決を願います」と訴えた。
 訴状によると、原告は0〜6歳ごろBCGなどの集団予防接種を受けた。原告側は注射器などが連続使用されており、母子感染や輸血など他の原因が考えられないことから、感染は集団予防接種が原因と主張しているが、国側は否認している。
 予防接種によるB型肝炎訴訟で最高裁は06年6月、国の責任を認め、札幌市の患者5人に損害賠償の支払いを命じた。しかし、国は患者の一律救済を拒否している。【矢追健介】

9月17日朝刊

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080917-00000296-mailo-l34