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2008年09月17日(水) 16時01分

選挙:衆院選 福田氏出馬へ 民主、「対決」の象徴に /長崎毎日新聞

 ◇久間陣営「実力は未知数」
 次期衆院選の長崎2区に民主党公認で出馬する意向を固めた長崎市の福田衣里子(えりこ)氏(27)は、薬害C型肝炎訴訟の九州訴訟原告としてシンボル的存在となっている。民主党は、同選挙区を地盤とする自民党の大物議員、久間章生元防衛相(67)に有力対抗馬をぶつけ、全国でも「自民対民主」の象徴的な選挙区にしたい考え。久間陣営は「実力が未知数でやりにくい」と戸惑いを見せている。
 福田氏は18日、長崎市内で民主党の小沢一郎代表と会談し、出馬要請に応じる意向。毎日新聞の取材に「(B型、C型肝炎の問題では)課題山積なのに、厚生労働省は動かない。何とかしなければという思いが強くなった」と語った。
 16日に会見した渡辺敏勝・県連幹事長は、福田氏について「官僚の『壁』を裁判で打破した。信念を持っており、『脱官僚』を目指す民主党にふさわしい候補」と18日の正式な出馬表明に期待を込めた。
 関係者によると、民主党は今年初めごろから福田氏一本に絞り、党本部主導で調整を続けてきた。党本部内には、2区から10期目を狙う自民党の久間氏が昨年の原爆投下「しょうがない」発言などによって「足腰が弱っている。自民大物議員を破るチャンス」(民主県連幹部)との判断があったいう。
 一方、久間氏は15日、諫早市内のホテルで政治資金パーティーを開催。支持者約1200人を前に、金子原二郎知事や来賓の党県連幹部らは久間氏の経験と実績を絶賛し、対立候補との違いを際立たせようと懸命だった。
 パーティー後、久間氏は福田氏について「誰が出ても同じだが、都会との格差問題などに(福田氏は)どれだけ発言力が持てるかな」と早くもけん制。自民県連幹部は「知名度はあるが、落下傘候補の福田さんが2区でどれだけ票を集めるだろうか」と語った。
 長崎2区には、いずれも無所属の相浦喜代子・諫早市議(44)、会社員の山崎寿郎氏(28)が出馬表明している。【錦織祐一、山崎太郎】
〔長崎版〕

9月17日朝刊

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080917-00000202-mailo-l42