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2008年09月17日(水) 18時34分

パラリンピック全競技終了 日本、支援の遅れ浮き彫り産経新聞

 【北京=川越一】北京パラリンピックは最終日の17日、男女計5クラスのマラソンを行い、全競技が終了した。この日は車いす男子の障害クラスT54で笹原広喜(大分県)、同T52で上与那原寛和(沖縄県)が銀メダル、高田稔浩(福井県)が10秒差の3位に入った。日本選手が獲得した金メダルは計5個と、前回の17個から激減。プロ化や国を挙げた支援が進む中、官民ともに日本の障害者スポーツ支援における後進ぶりが浮き彫りになった。
 開幕前日の5日、北京の日本大使公館で催された日本選手団の激励会。渡辺孝男・厚生労働副大臣が得意顔で、今大会からメダルを獲得した日本選手に、金100万円、銀70万円、銅50万円の報奨金が、日本障害者スポーツ協会から支払われることを報告した。
 「助成金が増えるだとか、報奨金が出ることを聞いた。本当かうそか知りませんけど。もし事実であれば、国としても前向きに考えてくれた第一歩」と陸上男子(車いす)で2冠を達成した伊藤智也(三重)。開会式で旗手を務めた陸上男子走り高跳びの鈴木徹(山梨)も「前に進んではいる。下がってはいない」と話したが…。
 前回大会終了後、メダリストたちは窮状を訴え、障害者スポーツ支援基金の上乗せを懇願した。基金の利子分が強化費となっているというが、今年度の支援金は一般分、特別分、地方分を合計しても約3億3300万円。選手の手にはほとんど渡っていないのが現状のようだ。

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