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2008年09月17日(水) 01時52分

<救命中事故>労災認定し、年金不支給取り消し 名古屋地裁毎日新聞

 岐阜県大垣市で98年、運送業務中に遭遇した事故現場での救出活動中に死亡した男性(当時33歳)の妻(44)=同県各務原市=が国に労災認定を求めた訴訟の判決が16日、名古屋地裁であった。遠藤俊郎裁判官は「救出行為は業務上予想される行為」と労災認定し、遺族補償年金などを不支給とした国の決定を取り消した。

 判決によると男性は「北陸トラック運送名古屋営業所」(愛知県知多市)の社員として98年3月4日、トレーラーを運転中、大垣市の国道21号で軽乗用車の事故に遭遇。車内から女性2人を救出し、事故車を動かそうとしたところ、後続車が事故車に衝突し、事故車とトレーラーに挟まれ死亡した。遺族側は同9月、半田労働基準監督署に遺族補償年金と葬祭料の給付を申請したが、同労基署は同10月、不支給を決定。労働保険審査会も遺族の再審査請求を棄却した。

 判決は救出活動について「運転者として奨励される行為で、自動車運転を行う労働者として通常予想される範ちゅうの行動」と認定した。【式守克史】

 ▽加藤昭雄・半田労基署長の話 内容を検討し、関係機関とも協議して今後の対応を決めたい。

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