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2008年09月16日(火) 17時27分

わが家に大画面液晶テレビがやってきたオーマイニュース

 わが家に大画面液晶テレビがやってきた。

 大画面とはいうものの、その中でも小さな部類に入る37インチというタイプだから、部屋に置いたときの「存在感」はそれほどでもない。とはいうものの、今までのテレビよりも画面は大きい。機種は東芝のREGZA、37RH500というタイプだ。

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 重さは約20キロなので、なんとか大人が1人で持ち上げられる大きさと重さだ。家電量販店から来た工事の人は古いテレビをリサイクルのために持ち出し、さっさと新しいテレビの搬入と接続を行い、最低限、テレビが見られるという程度の初期設定をしてくれた。このあいだ、約30分。テレビが来る前に、部屋を片付けておいたのがよかった。そんなに暑い季節でもなく、すべては無事に終わり、店頭と同じ、美しいハイビジョンの映像を見ることができた。

■事前にしなければならない、たくさんの「設定」

 使用説明書は「準備編」、「操作編」の2つに分かれていた。比較的わかりやすそうな大きな文字で書かれていたが、双方とも100ページくらいある。まず、これを読まないと、すべての機能は使えないということだ。特に今回は「ハードディスク録画機能つき」のものを選んだので、なおさら機能が多い。まず「準備編」に目を通す。

 まずはケーブルの接続からだが、これは特に問題なく終わった。外部装置といえば、わが家に古くからあるアナログ放送用のハードディスクビデオレコーダーと、レーザーディスク装置くらいなものである。アナログの入出力端子は従来と同じなので、慣れたものだ。

 地震での転倒や落下の防止のための木ねじの付け方なども説明書に丁寧に書いてある。最近のテレビは背後にPCのようにLANの端子がついている。ここにインターネットにつながっているLANケーブルを接続すると、メールで録画予約ができるなど、面白い機能を使えるようになっている。そして電源を入れるとPCのOSのように、ソフトウエアを最新にするための更新画面が出てくる。オンラインでテレビ内部のソフトウエアが最新のものに変わるのだ。

 また、裏で最新のニュース番組を録画し、必要なときに呼び出して見られるなどの機能もある。地上波デジタル放送の良いところは、オンラインでいつも最新のテレビ番組表などが見られることだ。新聞のテレビ欄が手元になくてもその場で録画予約までできる。

 そして、地域によるチャンネルの設定、アンテナの設定、データ放送の設定、電話回線をつなげる設定、LANの設定、遠隔録画のためのメール設定、ハードディスクの設定、録画モードの設定……。いや、やっていて頭がこんがらかってくるくらい、たくさんの「設定」を事前にしなければならない。なお、このテレビを動かしている「OS」は、PC用のフリーソフトウエアとして名高い「Linux」であり、準備編のマニュアルの最後の数ページは、フリーソフトウエアのライセンス使用許諾書に割かれている(ほとんど英文である)。このLinux系統のOSが専門である記者は、このテレビをハックして改造しようとする衝動を抑えているが、おそらくどこかでやりそうではある。

■画質はやはりすばらしい!

 このテレビの便利な機能の1つは、遠隔地からメールで録画予約ができることだ。これは東芝のアナログ時代のハードディスクビデオレコーダーでもあった面白い機能だが、これが設定項目が非常に多いばかりではなく、その設定がわかりにくい。

 また、Gmailなどのフリーメールのサーバーを使う場合にまるで対応していないという大きな問題がある。古くからあるインターネットの規格では、例えば送信メールサーバーのポート番号は25で、メール受信のためのポート番号は110である。しかし、最近はGmailをはじめ、無料で使える多くのメールサーバーが、迷惑メール対策のため、違うポートや、通常とは異なった認証方式を使うようになってきた。しかし、REGZAはこれに対応していないため、このテレビでメールを使って予約録画を行う場合、このテレビ専用に、別途、「規格の古い」メールサーバーを用意しなければならない。

 実際、記者もこの設定で時間を費やした。あれこれやって、トータルではほぼ1日分の時間を費やし、やっと動くようになった。問題のメールサーバーは、自宅にサーバーがある環境のため、迷惑メール対策も含め、なんとか用意できた。しかし、普通のプロバイダーしか使っていない場合、こんなことは無理だろう。そのため、この機能はそんなに多くは使われていないと想像できる。また、この機能では、通常の録画予約のようにテレビ画面で番組表を見ながら指定するやり方はできないため、新聞のテレビ欄などを手元に置いて行う必要がある。昔に戻るのだ。

 録画時に指定する「テレビのチャンネル」は、アナログとデジタルでは違うし、地上波放送のみならず、BS/CS放送も数多い。どこにどんな放送局があり、どの放送局でどんな番組を流しているかを調べるだけでも苦労する。

 とりあえず、映った! 動いた! というところまで持っていくのに、1日がかり。最近はテレビを見るのも大変だ。

 デジタルのハイビジョン放送は本当にきれいだ。しかし、それ以前の問題として、「テレビとして操作が簡単」という面にはほど遠い。

 いろいろ文句は言ったものの、今回購入したREGZAは評判通り、非常にきれいだ。REGZAに限ることではないが、最近のテレビは最初に動かすまでが時間と手間が、従来のテレビ以上にかかる。この操作をいとわないのであれば、新しい平面テレビは「買い」だろう。あとは、この受像機のすばらしい画質に見合った番組が多くなることを祈るばかりだ。

(記者:三田 典玄)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080916-00000000-omn-sci