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2008年09月16日(火) 16時36分

富良野舞台に新ドラマ「風のガーデン」 関西系10月スタート産経新聞

 ■脚本・倉本聰「この作品が最後」 「人生の最期」問う

 北海道・富良野を舞台に国民的人気を呼んだドラマ「北の国から」の脚本家、倉本聰が再び富良野を舞台に新作を書き下ろした。フジテレビが開局50周年記念として放送する「風のガーデン」(関西系、10月放送開始、木曜後10・0)。末期がんで死に行く医師と、その家族の和解を描く。これが「最後の作品」とも言う倉本に、撮影の進む現地で聞いた。(草下健夫)

 末期がんであることがわかった敏腕の麻酔科医(中井貴一)が、過去の不幸な出来事を理由に勘当されていた故郷・富良野の父(緒形拳)らと、家族の絆(きずな)を取り戻していく物語。父はターミナルケア(終末医療)を手がける医師という設定で、人生の最期をいかに生きるべきかを問いかける。

 「僕自身がね、いつ、どういうふうに死ぬのかすごく考えている。あと何年生きられるかと考えて、何回うまい酒と飯が食えるか。そうすると、一日一日の暮らし方が変わってきた」

 人は「最期」をどう生きればいいのか。そのテーマを専門分野の異なる親子の医師に託した。「病気を診る医者はいるけど、患者を診なくなったといいます。そこを書きたかった」

 見どころの一つが、撮影のために2年かけて造成したブリティッシュガーデン。ゴルフ場だった約600坪に、365品種の花が折々に咲く。それらの花はドラマの節目節目に登場。「明るすぎると、まわりがつらい」など、自作の花言葉が添えられ、ドラマの展開を暗示する。

 「最盛期だけではなく、つぼみもしぼむ姿も見せるのが、ブリティッシュガーデン。人生と似てるんですよ」

 現在、73歳。本作の執筆中に、2度体調を崩した。

 「医者はやめろというけど、僕は酒もたばこもめちゃめちゃやる。それでドラマを書いて人の心を洗濯している」。ただ、「書いているうち、(この作品が)最後という気がしてきた」と、絶筆を示唆する。

 「体力的なこともあるが、テレビへの絶望もある。今回のスタッフは別だが…テレビ局が人を育てず、現場が役者を含めてものすごく悪くなっている。視聴率ばかりでなく、作品の深さを大事にしないと」と、テレビ界を心配するからこその“苦言”も忘れなかった。

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