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2008年09月16日(火) 23時02分

<事故米転売>和菓子会社154、病院・施設は120毎日新聞

 三笠フーズ(大阪市北区)の汚染米転売問題で、農林水産省は16日、流通販売にかかわった24都府県の米穀業者や製造・販売業者377社の社名・施設名を公表した。消費者らに最終的に販売した製造・販売業者は、判明しただけで322社あり、最も多いのが和菓子製造会社の154、次いで給食として提供した病院・施設の120だった。同省はこれまで同意の得られた会社だけ公表していたが、食の安全を最優先しすべてを公表した。

 農水省は、三笠フーズが国や商社から購入した汚染米1408トンを、(1)殺虫剤メタミドホス(2)カビ毒アフラトキシンB1(3)殺虫剤アセタミプリド−−の3ルートで調査した。その結果、保管されたり、工業用「のり」など非食用になったものを除く1020トンが市場に流通していた。

 同省がまとめた中間報告によると、流通への関与が明確になったのは、372社(流通過程の重複4社を含む)。内訳は、▽米穀販売など中間流通業者が50社▽製造・販売業者が322社だった。製造・販売業者のうち、メタミドホス汚染米ルートは310社あり、業種別では、▽和菓子製造154社▽給食120施設▽米菓製造30社▽外食5社▽米穀販売1社。地域別では近畿168社と九州108社が突出していた。日清医療食品近畿支店(京都市)などが給食用として販売した老人福士施設、園児の給食として使った上賀茂保育園(京都市)なども含まれている。

 カビ毒汚染米ルートは、鹿児島の酒造3社で、殺虫剤アセタミプリド汚染米ルートは、アサヒビール(東京都墨田区)、福徳長酒類(中央区)など酒造9社で製品化されていた。

 一方、農水省はこれらとは別に、メタミドホス汚染米ルートで転売先を明かさない会社9社の社名も公表した。9社については「最終販売先が不明」との理由で、中間業者(50社)、製造・販売業者(322社)の数字には入っていない。このため、重複4社を除く公表実数は、377社になる。

 国から事故米を購入していた17業者のうち、不正転売が明らかになったのは、三笠フーズのほか、接着剤製造会社「浅井」(名古屋市瑞穂区)、肥飼料卸会社「太田産業」(愛知県小坂井町)だったが、16日にでんぷん製造会社「島田化学工業」(新潟県長岡市)も判明し、計4社になった。【奥山智己、曽田拓】

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