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2008年09月15日(月) 00時18分

リーマン、分割視野に調整 民間が300億ドル拠出案中国新聞

 【ニューヨーク14日共同】危機的な経営状態にある米証券大手リーマン・ブラザーズの救済策を協議するため金融機関首脳らを集めた会合が十三日、ニューヨーク連邦準備銀行で開かれた。現状での同社売却協議は難航、資産運用部門など優良資産を売却した上で、大手金融機関がリーマンを資金支援する分割案を視野に大詰めの調整が続いている。米メディアが伝えた。

 また欧米メディアは、同社の救済で、同社を優良資産と不良資産部門に分割し、民間金融機関が約三百億ドルを拠出する案が浮上した、と伝えた。優良資産の買収候補は英バークレイズが有力だという。

 会合は十四日も協議を継続、十五日にアジア市場が開く前の合意を目指す。

 売却先には米銀大手バンク・オブ・アメリカや英銀大手バークレイズが挙がっているが、損失が膨らんでいる住宅ローン関連などの資産による将来の損失回避のため、政府の関与を求めているもようだ。

 しかし米政府は公的資金の活用に消極的とされ、分割案が浮上した。一方でリーマンは清算手続きも準備しているという。

 リーマンの経営が破たんすると、証券大手メリルリンチや保険大手アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)など、同様の住宅ローン関連の資産を多く保有する米金融大手も資産の劣化で経営問題が深刻化する恐れが指摘されている。

 メリルリンチなどの株価も急落しており、金融当局は金融システムの危機を回避するため十二日から、民間金融機関首脳を集めた緊急協議でリーマン救済の道を模索している。

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200809150044.html