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2008年09月15日(月) 03時06分

総書記の後継、「すべてを知る」夫人・金オク氏が影響力?読売新聞

 【ソウル=浅野好春】北朝鮮の金正日(キムジョンイル)総書記(66)が脳卒中で倒れたとされる問題に関連して、総書記の現夫人、金オク氏(44)が「後継体制」決定に重要な役割を果たすとの見方が急浮上している。

 韓国当局も、金オク氏に関する情報収集に全力を挙げている。

 韓国メディアによると、金オク氏は「金総書記の長男正男(ジョンナム)氏(37)らとともに総書記に自由に会える人物の一人」(13日付中央日報)。現在、「金総書記に上がってくるすべての報告を検討し、総書記の面談相手決定や日程調整ができる、ほとんど唯一の人物」(12日付文化日報)ともいわれる。金オク氏は総書記の病床にも付き添っているとみられ、「治療に当たっている中国人民解放軍の医療チームの診断や、病状に関する情報を最も知りうる立場にある」(中央日報)ことから、韓国情報関係者は「病状回復後も、最側近として核心人物になる」(同)とみているという。

 金オク氏は平壌音楽大でピアノを専攻し、現在の肩書は、北朝鮮憲法で「国家主権の最高軍事指導機関」と規定される国防委員会(委員長は金総書記)の課長。2000年10月に金総書記の特使として米国を訪問した趙明禄(チョミョンノク)国防委第1副委員長に、「金ソンオク」の仮名で同行した。その際、旅行かばんのキャスターが床に引っ掛かっても代表団の中に手を貸す者がなく、米韓情報当局者は「特別な人物ではない」と判断したという。

 が、その後、頭角を現していく。

 中央日報によると、金総書記の前夫人で04年に死亡した高英姫(コヨンヒ)氏は、余命が短いことを知り、金オク氏を呼び、自身が産んだ二男正哲(ジョンチョル)(27)、三男正雲(ジョンウン)(25)両氏の面倒を見て欲しいと依頼した。最近、金オク氏が正雲氏を後継者にしようと画策していると伝えられる背景には、こうした経緯があるという。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080915-00000005-yom-int