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2008年09月15日(月) 02時05分

震源断層、水で大きく滑る=台湾で掘削、痕跡を初発見−東南海地震予測へ応用期待時事通信

 台湾で1999年9月に発生したマグニチュード(M)7.6、死者2300人以上の大地震は、南北約100キロの震源断層のうち、震源に近い中部より北部の方が断層面のずれが大きかったが、これは岩石の粒子のすき間に含まれる水によって滑りやすくなった可能性が高いことが分かった。
 海洋研究開発機構高知コア研究所と大阪大、神戸大、台湾大などの研究チームが、断層面から採取した岩石を分析した結果、断層がずれた際の摩擦により、高圧下で水が約350度まで熱せられたことを確認した。水の体積は熱で急膨張するが、周囲の岩石にすぐ浸透しないため、滑りやすくなる。論文は15日、英科学誌ネイチャー・ジオサイエンス電子版に発表された。
 地震を引き起こす断層面の滑りに水が大きな影響を与えるとの学説は1970年代からあったが、実際に痕跡が発見されたのは初めて。海洋機構は大型探査船「ちきゅう」で、紀伊半島沖の東南海地震震源域の掘削を進めており、過去に滑った断層面を同様の手法で分析すれば、今後の地震や津波の規模をより正確に予測できると期待される。 

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