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2008年09月15日(月) 19時57分

米リーマン経営破たん バンカメはメリル救済合併スポーツ報知

 経営危機に陥っていた米証券大手リーマン・ブラザーズの救済をめぐる官民協議は14日、不調に終わり、リーマンは15日、再建を前提とした米連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)の適用を申請すると発表した。一方、米銀大手バンク・オブ・アメリカ(バンカメ)は同日、米証券大手メリルリンチを株式交換により500億ドル(約5兆3000億円)で買収することで合意したと発表した。事実上の救済合併で、シティグループを抜き米最大の金融機関となる。

 米国では今月7日に政府系住宅金融2社への公的資金投入による救済策が発表されたばかりだが、サブプライム住宅ローン問題に端を発した金融市場の混乱は収まらず、経営体力の弱った米金融大手の淘汰(とうた)と大型再編に発展した。

 リーマンは今後も、商業不動産部門や資産運用部門の売却交渉を続けることを明らかにした。

 12日からポールソン財務長官ら政府関係者、シティグループやゴールドマン・サックスなど民間金融機関首脳が出席しニューヨークで開かれた官民協議はリーマンの救済策を協議。リーマンを優良資産と不良資産部門に分割した上で、不良資産の将来の損失に備えて民間金融機関が資金を拠出する案が浮上した。バンカメと英銀大手バークレイズは優良資産の買収を検討したが、米政府の公的資金活用などの支援が望めないため断念。バンカメは、リーマン同様にサブプライム問題関連の損失拡大に苦しむメリルの買収に転じた。

 リーマンは昨夏以降、サブプライム関連の損失を合計140億ドル超計上。経営不安の高まりで株価は9日に前日比で約45%も急落。10日には6—8月期の決算見通しを前倒しで発表、資産売却など再建策も明らかにしたが、具体的な追加増資策を示せず、株安に歯止めがかからなかった。(共同)

http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20080915-OHT1T00182.htm