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2008年09月15日(月) 02時11分

<開発虚偽登記>法務局の元登記官逮捕 組織的関与か 岐阜毎日新聞

 岐阜市の分譲住宅地「コモンヒルズ北山」の開発を巡る虚偽登記事件で、名古屋地検特捜部は14日、申請内容が虚偽と知りながら登記したとして、岐阜地方法務局の元総括表示登記専門官で、岐阜県安八町、司法書士、辻耕一容疑者(59)を公電磁的記録不正作出・同供用容疑で逮捕した。この事件での登記官逮捕者は3人目で、虚偽登記に法務局の登記官が組織的に関与した疑いが一層強まった。

 調べでは、辻容疑者は04年3月10日ごろ、法務局登記官だった勝田功(59)、木岡好己(55)の両容疑者=同容疑で逮捕=と共謀し、不動産開発業「グリーン産業」社長、中村満容疑者(58)=電磁的公正証書原本不実記録などの容疑で逮捕=の関連会社が所有する無担保地(39平方メートル)について、面積を5万9253平方メートルに変更する虚偽の「地積更正」申請に基づき不正に登記した疑い。「間違いありません」と容疑を認めているという。

 辻容疑者は当時、勝田、木岡両容疑者の上司で、不動産の所在地や面積の登記を扱う表示部門のトップだった。特捜部は、中村容疑者の地積更正申請を虚偽と知りながら、審査の体裁を整えるため勝田、木岡両容疑者とともに現地調査をしたとみて捜査している。

 辻容疑者は逮捕前の12日、毎日新聞の取材に対し「登記申請の詳しい内容は知らなかった。不自然な登記申請があったら、扱いを上司に相談するのが普通だが、一度も相談はなかった」と関与を否定していた。【秋山信一、式守克史】

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080915-00000008-mai-soci