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2008年09月15日(月) 06時03分

民主党・小沢代表、公明・太田代表と勝負か…鳩山幹事長が「国替え」明言スポーツ報知

総選挙での国替えで自ら“背水の陣”を敷く小沢一郎民主党代表

 民主党の鳩山由紀夫幹事長(61)は14日、テレビ朝日系「サンデープロジェクト」で、次期衆院選での小沢一郎代表(66)の選挙区について「岩手からは出ません」と地盤の岩手4区から「国替え」することを明言した。さらに、公明党の太田昭宏代表(62)の地元・東京12区からの出馬について「その可能性もあります」と示唆した。自民党総裁選に話題が集中する中での小沢氏の「国替え」説浮上は、与党への揺さぶりに加え、党内外へ政権奪取への強い決意をアピールする狙いがありそうだ。

 自民党総裁選の5候補が街頭演説の全国ツアーを展開する中、「剛腕」小沢氏が次々に荒業を繰り出してきた。

 鳩山氏はテレビ番組で、小沢氏の選挙区について「岩手からは出ません」と「国替え」することを初めて明言。新しい選挙区は「関東中心に決めるんじゃないでしょうか」との見方を示した。取りざたされていた公明党・太田氏の地元である東京12区からの出馬については「ひとつの有力な選択肢だ」と語った。

 鳩山氏は番組出演後も、記者団に「小沢氏は『自分も背水の陣を敷く。岩手4区は任せて別の選挙区から出る』と何度も言っていた」と改めて強調。「国替え」先に関しては「自分自身が命を懸けていることを示す選挙区に限られている」とし、東京12区については「これからの公明党との距離感にもよるかもしれない」と同党の対応を見極める考えも示した。

 民主党は12日、次期衆院選の第1次公認として187人を発表したが、小沢氏の名前はなかった。その前日、小沢氏は赤松広隆選対委員長(60)作成の原案に「岩手4区 小沢一郎」とあるのを確認すると、ニヤリと笑いながら「おれのところは空けておいてくれ」と指示したという。

 小沢氏の「国替え」は、今年に入って何度も浮上したが、同氏はそのたびに「今はそんな考えは持っていない」と答えていた。5月には、鳩山氏が「この話は消えたものだと理解いただくのが適切」と否定。東京12区には、最年少議員で公明・太田氏と同姓の太田和美衆院議員(29)を擁立する案も出ていた。

 小沢氏周辺は、ここへきて再浮上した「国替え」について「いつまで自民党と二人三脚を続けるのかという『小沢流』の公明党に対するメッセージだ。衆院選公示ぎりぎりまで選挙区を決めないだろう」と解説する。

 これに対し、公明党筋は「揺さぶり以外の何ものでもない」とし、自民党幹部も「はったりだ」と懐疑的な見方を崩していない。

 第1次公認候補を大幅に絞り込み党内にムチを入れる一方、自らは“敵の本陣”に殴り込むという大胆な構想で与党を揺さぶる。「最後の戦い」と位置づける次期衆院選へ向け、小沢氏が本気モードに入った。

 ◆最低でも第1党 鳩山幹事長はこの日、埼玉県狭山市での会合で、衆院選の目標議席について「過半数が取れれば一番良いが、少なくとも1議席でも自民党に勝ち、第1党になる」と比較第1党を最低ラインの目標とする方針を強調した。また、「11月9日だと新首相のご祝儀相場もしぼんでいる可能性がある。10月26日という説が流れている」と述べ、当初有力視された11月上旬より投票日が早まる可能性を指摘した。

http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20080915-OHT1T00077.htm