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2008年09月15日(月) 06時02分

秋祭りにカマ男…「殺してやる」戦慄の無差別殺傷再びスポーツ報知

殺傷事件があった現場の神社

 石川県白山市の神社で13日夜、秋祭りの会場でかまで切りつけられ、1人が死亡、6人が重軽傷を負った事件で、石川県警は14日、無差別殺傷事件として鶴来署に捜査本部を設置した。車で現場に突っ込み、刃物で居合わせた人を襲うという、今年6月の東京・秋葉原の無差別殺傷事件を想起させる惨事を起こした露天商・新井敏明容疑者(42)。捜査本部は現場検証や家宅捜索をするなどし9て、動機や犯行に至る経緯を詳しく調べた。

 鶴来署などによると、事件があった13日は秋祭りの前夜祭で、午後9時半ごろに終了。その後、関係者約20人で境内に隣接している公園で、打ち上げのバーベキューをしていたところに、新井容疑者がベンツで乗り付け乱入した。

 車両乗り入れ禁止の境内を、砂利をはね上げながら強引に横断し、公園内に設置してあったテントやテーブル、ちょうちんなどをなぎ倒し、人々をはねた。車外に出てきた同容疑者の手にはかま(刃渡り12センチ)が。「殺してやる」と叫んで、逃げる人々を追いかけ、次々と頭や肩にかまを振り下ろした。

 110番通報によって5分後に同署員が駆け付けた時には、車の横で立っており、抵抗することなく逮捕された。死亡したのは白山市の建設業手伝い・岡田陽平さん(30)で、死因は車にひかれたことによる出血性ショックとみられる。車にひかれ背中などを負傷した小嵐朗さん(42)は「刺されて背中を真っ赤にした人や、四つんばいでうめいている人がいた」と声を震わせた。

 同署の調べに同容疑者は「(祭りの関係者に)からかわれて頭にきた」と供述。露店では仲間とともに、光るおもちゃや、キャラクターの形をしたベビーカステラを販売。前夜祭の終了と同時に閉店し、仲間と別れて神社から帰宅。その後、1人で車に乗って神社に戻ってきたという。

 県警は14日、無差別殺傷事件として同署に捜査本部を設置。詳しい動機やトラブルの有無などを調べている。秋祭りは中止となり、現場検証も終わり、にぎわうはずだった境内はひっそりと静まりかえった。

http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20080915-OHT1T00026.htm