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2008年09月15日(月) 21時43分

「流れだね」落ち着いた相撲で連勝の白鵬産経新聞

 白鵬が横綱相撲を見せつけた。立ち合いから雅山が得意の突き押しで攻め立てたが、じっくり動きを見極めて、腕をたぐって体勢を崩す。最後は背後を取って送り出した。「流れだね」。相手の力を存分に出させた上での完勝だった。

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 場所前の体調は、万全からはほど遠かった。8月末のモンゴル巡業中は最低気温が0度前後まで下がり、モンゴル育ちでも「寒すぎる」と驚く異常気象に苦しめられた。食事も体に合わなかったようで、よもやの腹痛が追い打ちをかけた。

 育ての親の熊ケ谷親方(元幕内竹葉山)が「あのときが最悪だったらしい」と振り返る5日の横綱審議委員会(横審)けいこ総見では、横綱らしからぬ姿をさらした。把瑠都とがっぷりに組んで1勝2敗。協会幹部や横審委員を心配させた。

 母国で体調を崩したのは、朝青龍とは対照的に、極力日本に残って横綱の責務を果たし続けた努力の裏返しといえる。国を愛する気持ちは変わらなくても、体は確実に日本化が進む。帰国後のわずか2週間で、体調を整えてきたのもその証だろう。

 先場所初日から続く連勝は「17」に伸びた。「意識してはいないが、そう言われるとそうかなとは思います」とほほ笑んだ。「体調はこれからも良くなるだろうし、負けることはないんじゃないか」という熊ケ谷親方の言葉にうなずくしかないほどの滑り出しである。(奥山次郎)

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