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2008年09月14日(日) 07時02分

おくりびと初日 広末静かに祖父の死告白スポーツニッポン

 東宝「パコと魔法の絵本」、東映「フライング☆ラビッツ」、松竹「おくりびと」の邦画大手3社の秋の新作が13日、全国でそろって公開された。東京・銀座地区では時間差で出演者が舞台あいさつ。それぞれ観客にサイン入りグッズをプレゼントしてPRに努めた。「おくりびと」では主演・本木雅弘(42)の妻を演じた広末涼子(28)が今年7月に祖父を亡くしていたことを明かした。

 「大好きだった祖父との別れも、この映画に出合っていたので、いい形で受け止めることができました」。約550人の観客で埋まった劇場。本木に続いてマイクを握った広末は、ひと言ひと言かみしめるように、祖父の死を告白した。

 関係者によると母方の祖父で、今年7月に死去。横浜市内に住んでいたという。年齢や病名などは明かしていない。同月は日本テレビの連続ドラマ「ヤスコとケンジ」の撮影が佳境だったが、「葬儀には参列したようだ」(前出関係者)という。

 「おくりびと」では、遺体を清めてひつぎに納める「納棺師」という職に就いた夫に戸惑いながらも、遺族から感謝される姿を見て、気持ちに変化が起きる女性を好演。「死を受け入れる姿勢が変わりました」と、この作品が自身の死生観に大きな変化をもたらしたことを明かした。

 今作の撮影が行われた昨年春から夏にかけて、祖父は入退院を繰り返していたが、お見舞いなどで撮影に穴をあけることはなかったという。

 舞台あいさつの最後には、海外用ポスターに本木らとともにサインを入れ、観客1人に抽選で贈り、当選した男性にニッコリと笑いかけた。

 本木も昨年11月、今作の企画の1人で所属事務所の社長だった小口健二氏を失っている。広末は本木同様、「死は門のようなもの」のせりふがある今作に癒やされ、心安らかな“おくりびと”となったようだ。

 この日は、中国の大連で開催されている映画祭「金鶏百花賞」で観客が選ぶ最優秀作品、監督、主演男優の3冠を獲得したことも公表された。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080914-00000045-spn-ent