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2008年09月14日(日) 05時12分

閲兵式に拉致実行犯 辛光洙容疑者、VIP扱い変わらず産経新聞

 原敕晁(ただあき)さん=当時(43)=や地村保志さん(53)夫妻を拉致した容疑で国際手配されている北朝鮮工作員、辛光洙(シン・グァンス)容疑者(79)が、今月9日に平壌市で開かれた建国60周年記念の閲兵式に参列していたことが13日、分かった。辛容疑者の姿は、式典の様子を伝える朝鮮中央放送のテレビ特番に映りこんでおり、公安当局では、拉致事件の国際手配容疑者の最新状況を示すものとして関心を寄せている。
 北朝鮮で辛容疑者は、韓国で逮捕されながら北朝鮮支持の姿勢を貫いた「非転向囚」として、尊敬の対象とされ、切手も作られるなど英雄視されている。
 辛容疑者の姿が確認されたのは、9日に放送、国際配信された朝鮮中央放送のテレビニュース。
 式典の様子を伝える映像の中で、ひな壇の最前列付近で他の非転向者らと一緒に背広にネクタイの正装で広場を行進する民兵に見入る姿が確認された。
 公安当局では「拉致事件の容疑者の一人が現在も健在であり、非転向の英雄としてVIP扱いする北朝鮮の姿勢に変化がないことを示すもの」として関心を寄せている。
 辛容疑者は、昭和53年7月、福井県小浜市の海岸で地村さん夫妻を拉致。また、55年6月には宮崎市の海岸で原さんを拉致したとして国際手配されている。

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