米国で最も権威がある医学賞で、ノーベル賞の登竜門ともいわれる「ラスカー賞」の今年の受賞者に、血中のコレステロール値を下げる薬「スタチン」を発見した、バイオファーム研究所(東京)の遠藤章所長(74)ら5人が選ばれた。米アルバート・アンド・メアリー・ラスカー財団が14日発表した。授賞式は26日にニューヨークで行われる。
遠藤氏は秋田県出身で東北大農学部卒。製薬会社三共(現第一三共)の研究員時代に6000種のカビやキノコを調べ、1973年に青カビの培養液中から、体内でのコレステロール合成を調整する酵素を阻害する物質「コンパクチン(メバスタチン)」を発見。ニワトリや犬の実験で、血中のコレステロールを劇的に低下させる効果があることを突き止めた。
世界の製薬会社がコンパクチンと同系列の化合物を次々と開発、高脂血症の治療薬として製品化しており、スタチンと総称されている。世界中で3000万人を超える患者に使われているという。