記事登録
2008年09月14日(日) 08時22分

未取得地の図面改ざん 担保設定時に偽装東京新聞

 岐阜市の住宅団地「コモンヒルズ北山」をめぐる不正登記事件で、団地開発資金を融資した銀行が1997年に開発区域の土地すべてに担保を設定する際、不動産会社「グリーン産業」社長中村満容疑者(58)=電磁的公正証書原本不実記録などの疑いで逮捕=が、一部の土地が未取得であることを隠すため、銀行に示す開発計画図面を改ざんしていたことが分かった。未取得の土地が区域外で融資対象ではないように偽装していた。

 中村容疑者は、偽装工作で生まれたこの土地を悪用して違法な拡大登記を始めており、名古屋地検特捜部は、中村容疑者が詐欺的行為に手を染めたきっかけとみて調べている。

 関係者によると、この土地は33平方メートルで、その後の2003年5月に中村容疑者が取得したが、偽装工作の結果、担保は未設定のままだった。

 ほぼ同じころ、銀行から整理回収機構(RCC)が債権を引き継いだため、中村容疑者はRCCが土地を競売に掛けることを恐れていた。そこで、中村容疑者は隣接地の所有者の承諾があれば2つの土地を1つの土地として修正登記できる制度があり33平方メートルの無担保の土地が開発区域と隣接していることに着目したとされる。

 開発区域の土地は同容疑者のグループ会社が所有しているため修正は容易に行われ、元の土地の約2000倍の6万2220平方メートルの無担保の土地が生まれた。さらに開発区域の境界を移動する地図訂正をして、土地を区域内に編入。RCCが本来担保を持っている開発区域の中に無担保の中村容疑者側所有の土地を出現させて、RCCの競売などの債権回収を妨害した初のケースとなったという。

(中日新聞)

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2008091490082255.html