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2008年09月14日(日) 02時58分

農薬検査は2回に1回 三笠フーズ「出荷のつど」はうそ東京新聞

 農薬やカビ毒に汚染された事故米を不正転売していた米粉加工販売会社「三笠フーズ」(大阪市)が、昨年11月から今年8月にかけて農薬メタミドホスに汚染されたもち米を出荷する際、農薬濃度の検査を2回に1回しかしていなかったことが13日、分かった。

 財務担当者が同日、報道陣に明らかにした。記者会見で「(外部の)検査機関にすべてのコメを出している」と説明していた冬木三男社長の言葉はうそだった。担当者は「検査は気休め程度だった」と認めた。社長は6日の会見後は公式の場に姿を現していない。これらの汚染米の一部は京都市の保育園に納入され園児らが食べ、残ったコメから残留農薬基準の2倍のメタミドホスが検出されている。

 担当者によると、同社は政府から購入した汚染米約350トンを昨年11月−今年8月、約20回に分けて福岡県の米穀販売会社に出荷した。

 しかし、この汚染米の検査結果書は三笠フーズに数枚しか残っていない。担当者は「最大でも検査は10回程度。この検査で基準値を下回っていれば、同じ時期に購入した汚染米は安全と判断していた」と説明している。

 三笠フーズ九州事業所の前所長は「何回かしか検査はしていない。冬木社長から『とりあえずやっておけ』と言われたのでやっただけ」と話しているという。担当者は「長期間保存して濃度が低下してから、出荷のつど検査した」としていた。

 一方、鳥取県は13日、三笠フーズが出荷した汚染米を使用した米粉が鳥取、島根、広島の菓子製造5業者に納入された可能性があると発表。和菓子に使われたとみられる。

(中日新聞)

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2008091490025818.html