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2008年09月14日(日) 08時00分

第3のビール 味なら麦芽系産経新聞

 食品の値上げが相次ぐなか、低価格の「第3のビール」の売れ行きが好調だが、特に麦芽を使ってビールの味わいに近づけた「麦芽系」の人気が高まっている。味わいは本物のビールに似ており、節約のために乗り換えるビール派が増えているとみられる。麦芽系では後発だったキリンビールが近く、新商品を相次いで投入するなど各社とも麦芽系第3のビールを成長市場と位置づけ、拡充を急いでいる。

 ◆シェア45%に

 キリンは麦芽ではなく大豆を主原料とする「のどごし〈生〉」に第3のビールの軸足を置いてきたが、17日にアルコール度数の強い酒を敬遠する若者向けにアルコール度数を4%に抑えた麦芽系「スムース」を発売する。10月には逆に従来品より2%程度アルコール度数が高い7%の新商品「ストロングセブン」を投入する。

 第3のビールの出荷数量は5月以降、4カ月連続で発泡酒を上回っている。その原動力となっているのが麦芽系だ。ビール本来の飲み応えを求める”ビール党”に支持され、第3のビールに占めるシェアは1年半前には10%程度だったが、8月には45・2%まで急拡大している。

 ◆増産態勢  

 アサヒビールの泉谷直木常務は「生活防衛として、ビールよりも割安でビールに似た味で我慢する動きが麦芽系を押し上げている」と話す。アサヒは当初の「クリアアサヒ」の年間販売目標の3分の1を約2カ月で達成し、目標を上方修正。9日には新たに四国工場(愛媛県西条市)でも生産を始めた。

 サッポロビールも好調な「麦とホップ」の増産態勢に入った。サントリーも「金麦」を5月にリニューアルしている。

 業界内では「第3のビールは9月以降、麦芽系が過半を占める」との見方が強まっている。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080914-00000066-san-bus_all