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2008年09月14日(日) 20時42分

「顧問が『上手にやればもうかる』と…」三笠フーズ社長、文書で釈明産経新聞

 三笠フーズ(大阪市北区)による事故米の不正転売問題で、同社は14日、冬木三男社長(73)が転売の経緯などを記した文書を公表した。汚染米を取り扱うようになった経緯について、「宮崎一雄非常勤顧問から『上手にやればもうかる』と教唆され、利益の上がる商売になりそうと見込んだ」と、これまでより具体的に言及した。一方、宮崎顧問側はこれまでの取材に提案したことを否定しており、全く食い違う言い分に疑念が深まるばかりだ。

 文書は「政府売却工業加工米(汚染米)“横流し”のお詫び及び釈明」という題名。冒頭で「皆様方に大変なご迷惑をおかけし、深く反省しております」と謝罪、「このような大事件を引き起こしたことは万死に値する」などと心境をつづった。

 事故米の取り扱いの経緯については、宮崎顧問が経営していた宮崎商店が平成14年に倒産したため事故米の買付資格「糊加工原料買付資格」を買い取り、「宮崎顧問から『上手にやればもうかる。私は十数年やってその方法、やり方を熟知している』と教唆され、利益の上がる商売になりそうと見込んで買い取りを決断した」とした。

 その後の取引は「宮崎顧問が主にさい配をふるい、私はもうかるならそれでよい、と安易に考えてずっと任せきりにしておりました」と釈明した。

 また、農薬メタミドホスに汚染された中国産もち米は「自主検査で基準値以下の結果が出た。宮崎顧問と相談し、安全と考えて販売に踏み切った」と主張。毒性に関しては「時間経過とともに減少する特性があり、時間が立てば人体にほとんど影響がない」との認識を改めて示した。

 宮崎顧問は9日に産経新聞の取材に応じた際、「事故米の転売を指示する権利も何もない」と自ら提案したことを否定。さらに汚染米は「検査では基準値以下だったので『害はない』と判断し、分析結果を本社に送っただけ。社長が売りなさいと指示したのではないか」と話していた。

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