記事登録
2008年09月14日(日) 20時34分

武蔵川理事長に「三重ノ海がんばれ」…改革への一歩、ファンに届いた産経新聞

 協会トップによる異例の謝罪だった。初日恒例のあいさつで来場者に感謝の意を伝えた武蔵川理事長(元横綱三重ノ海)が続けたのは、相次ぐ不祥事に対する謝罪と再発防止に向けた決意表明だった。

 「度重なる不祥事に関する責任はすべて私ども日本相撲協会にあり、大相撲を愛してくださるすべての皆様方に、多大なるご迷惑とご心配をかけ、大変申し訳なく心よりおわび申し上げます。今後は協会一丸となり、一人一人が自覚を持って、再発防止に努めて参ります」

 飛び交う「三重ノ海、がんばれ」の大声援。思いは確かにファンに届いた。貴乃花審判部副部長(元横綱貴乃花)は「テレビで見て風格を感じた。しっかりとやっていきたい」と気を引き締め、同じ土俵で耳を傾けた横綱白鵬も「不思議な感じですね」と、責任回避に終始した北の湖前理事長(元横綱北の湖)との違いをひしひしと感じ取った。

 前日に指示した立ち合いの手つき徹底についても、関係者が敏感に反応した。手つきが不十分な場合は審判部と行司が容赦なくやり直しを命じ、豊ノ島は「厳しくなったが、正規の立ち合いなので」と神妙。貴乃花副部長も「きょうはいうことない」と評価した。

 角界再生の道のりは遠く険しい。しかし、相撲界に向けられる世間の厳しい目を認識して、トップが自分の言葉で心情を吐露した意味は大きい。武蔵川理事長の初日、とりあえずは白星発進である。(奥山次郎)

【関連記事】
日本人力士も簡易検査で「陽性」 代理人が暴露
露鵬と白露山、解雇撤回を求める「ロス巡業でも吸っていない」
武蔵川理事長、復帰認めず 元若ノ鵬の訴訟に「対応するしかない」
【角界大麻汚染】武蔵川新理事長に重責
■特集■「角界大麻汚染」

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080914-00000937-san-spo