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2008年09月14日(日) 20時26分

「からかわれ…殺そうと思った」 石川7人殺傷産経新聞

 石川県白山市の神社の秋祭り会場で13日夜、男性7人が殺傷された事件で、殺人未遂で現行犯逮捕された金沢市法光寺町の露天商、新井敏明容疑者(42)が県警の調べに「主催者側の関係者にからかわれて頭にきた」と供述していることが分かった。県警は14日、無差別殺傷事件として鶴来署に捜査本部を設置。容疑者宅を家宅捜索するなどして、詳しい動機や犯行に至る経緯を調べている。

 調べによると、新井容疑者は祭りの打ち上げで境内にいた人々のテントに外国製乗用車で突っ込んで数人をはねた後、刃渡り12センチのかまを手に「殺してやる」と叫びながら、居合わせた人々を約5分間、追いかけ回して切りつけた疑い。

 死亡したのは白山市部入道町の建設業手伝い、岡田陽平さん(30)。死因は車にひかれたことによる出血性ショックとみられる。ほかにいずれも同市内の男性6人がはねられたり、かまで切られたりし、3人が入院した。

 新井容疑者は当初、「祭りで露店を出していたが、客にからかわれ腹が立った」と供述していたが、その後の調べに「祭りの関係者にからかわれ頭にきた。車と、かまで殺そうと思った」と供述を変更。県警は新井容疑者が強い殺意を持って犯行に及んだと見て、どのようなやり取りが殺意につながったか調べている。

 祭りの主催者によると、13日は前夜祭で、午後9時半ごろ終了。約20人でバーベキューなどをしていたところ、露店を閉めていったん帰宅していたはずの新井容疑者が10時20分ごろになって車で戻ってきていきなり乱入してきたという。

 亡くなった岡田さんは仕事のかたわら町内会役員も快く受けるなど地域活動にも熱心な人柄。3人の幼い息子と一緒に歩く姿がたびたび見られ、子煩悩な父親だった。同市鶴来桑島町の川村博・町内会長(59)は「明るく、町内会の仕事を熱心にやってくれていた。残念だ」と肩を落とした。

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