農薬やカビ毒に汚染された事故米を不正転売していた米粉加工販売会社「三笠フーズ」(大阪市)が、昨年十一月から今年八月にかけて農薬メタミドホスに汚染されたもち米を出荷する際、農薬濃度の検査を二回に一回しかしていなかったことが十三日、分かった。
記者会見で「検査機関にすべてのコメを出している」と説明していた
これらの汚染米の一部は京都市の保育園に納入され園児らが食べ、残ったコメから残留農薬基準の二倍のメタミドホスが検出されている。
財務担当者によると、三笠フーズは政府から購入した汚染米約三百五十トンを昨年十一月—今年八月、約二十回に分けて福岡県の米穀販売会社に出荷した。
しかし、この汚染米の検査結果書は三笠フーズに数枚しか残っていない。担当者は「最大でも検査は十回程度。この検査で基準値を下回っていれば、同じ時期に購入した汚染米は安全と判断していた」と説明している。
同社九州事業所の前所長は「何回かしか検査はしていない。冬木社長から『とりあえずやっておけ』と言われたのでやっただけ」と話しているという。
「長期間保存して濃度が低下してから、出荷のつど検査した」としていた担当者は十三日、「検査は気休め程度だった」と認めた。
一方、鳥取県は十三日、三笠フーズが出荷した汚染米を使用した米粉が、鳥取、島根、広島の菓子製造五業者に納入された可能性があると発表。和菓子の原材料に使われ、販売されたとみられる。