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2008年09月14日(日) 19時34分

<北朝鮮拉致>日朝首脳会談6年 いらだち隠せぬ横田夫妻毎日新聞

 北朝鮮が日本人拉致を認めた初の日朝首脳会談から17日で丸6年を迎える。8月の日朝実務者協議で合意した拉致問題の再調査も延期され、依然解決への道筋は見えない。拉致被害者家族会前代表の横田滋さん(75)は「政府のこれまでの取り組みが良かったのか疑問に思うこともある」、妻早紀江さん(72)も「毎日、どうして解決できないのかと思う」と話し、いらだちを募らせる。

 夫妻は川崎市内にある自宅マンションで取材に応じた。

 再調査の延期は、福田康夫首相の辞任表明を受け北朝鮮から発表された。早紀江さんは「一番大事な局面だったのに、なぜやめるのかとの思いだ。問題の幕引きにつながりかねない」と憤りを隠さない。滋さんは「個人でどうにかなる問題ではなく、私たちは政府にお願いするしかない。新首相には『拉致問題の解決なしに国交正常化なし』の姿勢を貫いてほしい」と語った。

 滋さんが家族会の代表を退いてから、間もなく1年。しかし、夫妻は依頼を受けて全国各地を今も講演などで飛び回る。その数は代表の時とほぼ変わらない。ただ、街頭での活動は以前より体にこたえ、夜も寝られないほど足や腰が痛くなることもあるという。

 13歳で拉致された長女めぐみさんは今年44歳になる。早紀江さんは「時間が限られており、命がけだ。めぐみは、いつまでも13歳のまま。元気で救出の日を待ってほしい」、滋さんは「生きていると信じて救出活動を続けていく」と語った。【工藤哲、棚部秀行】

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