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2008年09月13日(土) 16時01分

事故米食用転売:府内22施設に流通 京都市2施設では基準値2倍 /京都毎日新聞

 米卸売加工会社「三笠フーズ」(大阪市北区)の汚染米転売問題で12日、殺虫剤・メタミドホスに汚染されたとみられる餅精米が流通していた施設が府内でも計22に上ることが府と京都市の調べで確認された。いずれも健康被害の報告は入っていないというが、施設の関係者から戸惑いの声が上がった。
 府と市の発表によると、いずれも社会福祉施設や病院などで、内訳は京都市内が10カ所で昨年12月〜今年8月に計64キロ、同市外が12カ所で5〜9月に同64キロ納入されていた。
 市は同日、2施設に残されていた餅精米の検査で食品衛生法の基準値(0・1ppm)の2倍のメタミドホスを検出したと発表。府も今後、在庫の餅精米を検査する。
 メタミドホスが検出された中京区の介護老人保健施設「洛和ヴィライリオス」を経営する医療法人社団「洛和会」で、隣接の同会丸太町病院経営管理部の松田義史・主席課長はは「入所者への説明をどうするか、これから協議して決めたい」と話す一方、今回の事態について「納入業者も事故米とは認識していなかったはず。施設としてどうチェックしていいか分からない。ヤミで買っている訳ではないのだから、行政でしっかり検査していただかないと困る」と話していた。
 北区の上賀茂保育園に3歳の次男を通わせ、同園が同日夜に開いた緊急保護者会に出席した同区の著述業、長尾庸子さん(35)は「今回のことは、これまであった賞味期限切れなどの偽装よりひどい。賞味期限切れ(の問題)は食べられるものの期限を延期しているけども、今回は本来食べられないものを食べさせられた。業者には強い憤りを感じる。まだまだ偽装があるように思え疑心暗鬼になってしまう」と話した。【武井澄人、小川信、木下武】
 ◇施設「強い憤り」
 府山城北保健所(宇治市)は11日、流通した施設を調べたが、ほとんどの米が消費されていた。1施設に600グラムが残っており、府保健環境研究所(伏見区)で検査中という。
 城陽市の施設では3回にわたって計12キロを購入、うち11キロは消費された。毎月1日の昼食に赤飯を出しており、6〜9月の間で4回ほど使われたという。施設長は「こちらは被害者。強い憤りを感じる」と話した。今後は利用者の家族へ説明を行うという。
 井手町の施設でも赤飯として利用していた。施設の事務長は「信頼できる業者に任せていたのに。これ以上、広がらないでほしい」と話していた。【藤田健志、三野雅弘】

9月13日朝刊

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080913-00000156-mailo-l26