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2008年09月13日(土) 06時03分

小泉さん支持でも小池氏微妙…自民党総裁選スポーツ報知

自民党総裁選の公開討論会に出席した(左から)石原元政調会長、小池元防衛相、麻生幹事長、石破前防衛相、与謝野経財相

 自民党総裁選(22日投開票)で、立候補している小池百合子元防衛相(56)陣営の幹部は12日、小泉純一郎元首相(66)が小池氏を支持する考えを明らかにしたと発表した。前日まで「何も言えねえ」と言葉を濁していた小泉氏だが、「小池総裁なら小沢民主党といい勝負ができる」と熱弁を振るったという。小池氏は「超うれしい」と大はしゃぎだが、麻生太郎幹事長(67)の独走に待ったを掛けられるかは微妙。しらけムードの総裁選を盛り上げる“演出”との見方も出ている。

 大の政局好きがついに動いた。12日午前、自民党本部で開かれた小池陣営の選対会議。選対本部長の衛藤征士郎元防衛庁長官(67)は一枚の便せんを手に取り「オレは小池氏を支持する。小池氏に一票を入れる」と読み上げた。会議の前に衛藤氏と武部勤元幹事長(67)らが面会した小泉氏の言葉だった。

 衛藤氏らによれば、小泉氏は「小池総裁が実現すれば小沢民主党といい勝負ができる。このメッセージをほかの議員にも伝えてほしい」とキッパリ。さらに「麻生で衆院選に勝てるのか。国難を救うのは女性首相しかない。小池が首相になったら、世の中変わるぞ」とまくし立てたという。

 小泉氏は前日11日夜、武部氏を中心とする議員グループ「新しい風」の会合では「北島選手じゃないけど、今のところは何も言えねえ」と北京五輪平泳ぎで2冠連覇を達成した北島康介選手の名文句になぞらえ、意中の候補についての明言を避けた。が、一夜明けて心変わりしたようだ。

 前夜は肩透かしを食らった小池氏は「ついに言ってくれたんですね。チョ〜うれしい」と破顔一笑。小泉氏同様“北島語録”で喜びを表した。

 福田康夫首相(72)は「本当にそんなこと言ったの?」といぶかり、町村信孝官房長官(64)は「公の場で話したわけではないので、コメントしようがない」と口を閉ざした。小泉発のインパクトは十分だが、総裁選を揺るがす可能性は低いと見る向きもある。

 議員票、地方票ともに過半数を超えたとも言われる麻生氏。警戒感に駆られた陣営は、若手議員の動向を調べ直し「大変動はなし」と確認した。陣営幹部は「想定内だが(表明の)タイミングが早かったのは意外。念のため注意する」と静観する構え。「本当なの? 衛藤さんが飛ばしすぎたとのうわさもある」と語る関係者もいた。

 格差問題など小泉改革の「負の遺産」を問う今回の総裁選の性質上、小泉発言が小池氏躍進につながるとは限らない。むしろ「最後まで世間の関心を引こうとする『演出』ではないか」(ベテラン議員)との声も。中堅議員は「小泉チルドレンも今回は一枚岩ではない。麻生氏優位は揺るがない」と見ている。

 小池陣営は「小池氏の街頭演説に小泉氏をツーショットで登場させて、世論の追い風を起こす」(幹部)と意気揚々だが、脱力ムードの総裁選に「小泉マジック」は通じるのか。その効き目は未知数だ。

http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20080913-OHT1T00079.htm