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2008年09月13日(土) 06時02分

大阪府庁職員、府教委に盗聴器!橋下知事「僕じゃない」は無実スポーツ報知

府教委内での盗聴器発見を受けて記者会見する橋下府知事

 大阪府教育委員会の職員の机に盗聴器が仕掛けられていたことが12日、明らかになった。府教委は東署に盗聴器を任意提出したが、この日夜、府教委が緊急会見し「職員が設置したと名乗り出た」と発表した。大阪府では、橋下徹知事(39)が府の文化施設職員の仕事ぶりを隠し撮りさせ、府下の市町村教委などを「くそ教育委員会」呼ばわりしたばかり。教委と緊張関係の続く知事は「僕じゃないですよ」と苦笑いで否定していたが、まさかの内部犯行で、自身の「無実」が証明された。

 橋下知事にまで疑惑の目が向けられた盗聴器騒動は、同じ府教委職員による“内部犯行”という前代未聞の不祥事だった。

 盗聴器が見つかったのは、大阪・中央区の大阪府庁別館5階にある府教委高等学校課・生活指導グループの机の上。12日夜に緊急会見した府教委によると、仕掛けたのは、同課の男性指導主事(48)。同日夕に府教委幹部に、自ら名乗り出たという。

 盗聴のターゲットになったのは同グループの男性3人、女性1人。仕掛けた指導主事は別グループ所属で「楽しそうに話していたので会話の内容を知りたかった」と話したという。盗聴器を設置した6月中旬から8月中旬にかけて20回程度、約10メートル離れた自分の机の引き出しに受信器を置き、勤務時間中もイヤホンで盗聴していたという。指導主事は1982年に教員として府に採用され、2000年から府教委に勤務していた。

 発見は偶然だった。11日午後11時ごろ、朝日放送(大阪市)のスタッフがニュース番組で盗聴問題を取り上げるため、専門業者と一緒に取材中、庁舎近くで人の声を傍受。まだ残っていた職員に事情を説明し、立ち会いの下、コンセントから電源を分岐させる小型タップを装った盗聴器を見つけた。

 “状況証拠”から疑いをかけられるはめになったのが、橋下知事。今月6日、廃止方針を打ち出している府立国際児童文学館の施設内を、私設秘書にビデオで隠し撮りさせたことを告白。翌7日には、全国学力テストの結果公表を渋る市町村教委などに向け「くそ教育委員会」と過激発言。話題の中心だった教委が現場だけに、知事は「僕じゃないですよ。隠し撮りの一環としてやっていると思われるかもしれませんが」と苦笑いで自ら話題にして否定。知事室で何回か行った調査では盗聴器はなかったとし、週明け16日からの府庁本館と別館の調査を指示した直後の職員の自白だった。

 府教委の緊急会見は「内部の人間がやったことで、府民の信頼を失ったことは誠に遺憾。申し訳ありません」と山崎彰教育監の謝罪で始まった。府教委では当初「内部の犯行とは考えにくい」との声も出ていただけに、まさに5日に知事が宣言した「教育非常事態」そのもの。多数の報道陣に囲まれた幹部は、苦渋の表情だった。

http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20080913-OHT1T00075.htm