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2008年09月13日(土) 23時17分

高速バス 豪華にイメチェン テレビ、ベンツ製…しかも安い産経新聞

 都市間を結ぶ高速バスが多彩に進化している。飛行機や鉄道より格安なことに加え、近年は足を伸ばしてゆったり眠れる豪華座席や快眠用品を備えた高級車両が相次いで登場。座席をカーテンで仕切ったり、広めの化粧室を備えたり、女性にも使い勝手が良くなっている。秋の行楽シーズンは、ネット予約を上手に使って賢く利用してみたい。(中曽根聖子)
 東京駅日本橋口の高速バス降車場。午後7時を過ぎると、各地から続々到着したバスの乗客で混雑する。大阪を昼前に出発した千葉県市川市の女性(44)は「料金が安いので時間に余裕があるときはいつも利用しています。普通のバスより足元が広く、長時間乗っても疲れない」と話す。
 女性が利用したのはジェイアールバス関東の「プレミアム号」。1階席は座席最大79センチ、リクライニング角度156度。足を伸ばしてほぼ水平に横になり、ゆったりと寝返りが打てるほどの広さ。おしぼりと緑茶のサービスのほか、各席にテレビ付きという豪華版だ。
 同社の主力となる東京−大阪間は、プレミアム号(片道6700円〜9910円)のほか、従来の4列座席の補助席(同2100円)、3列座席の女性専用車(同7300〜8610円)など多彩な車両がそろう。
 関東と北陸、東北、四国などを結ぶ同社では、各路線に事前購入割引やネット予約による割引制度といったお得な料金も用意しており、同社営業部の小西彦晴さんは「ふだんからこまめに運賃をチェックし早めに計画を立てることで、より安く利用していただけます」と言う。
 一方、旅行会社がバス会社に委託して定期的に運行する「高速ツアーバス」も、3列座席で快適な乗り心地を追求した新型車両が人気だ。
 東京−仙台、東京−名古屋間など1日約100便を運行するウィラー・トラベル(東京)は昨年、「化粧を落とした寝顔を見られたくない」といった女性の声を受け、メーカーと共同開発したフード付き座席を一部車両に採用。また、座席幅を4列座席の1・5倍にしたワイド型の3列座席、メルセデス・ベンツ製の2階建て車両など9種類の座席から選べる。ベンツの最も高い座席でも東京−大阪が片道6400円とあって、高い方から売り切れるという。
 「狭い、眠れない、疲れるといった高速バスのイメージを大きく変えたことで、利用者が若い女性や高齢者、家族連れにも広がりつつある。買い物や観劇、友人の結婚式など今まで以上に気軽に使う人が増えています」と、同社社長室の池あい子さん。
 このほか、4席分を使った広めの化粧室、入浴施設の入場券や飲み物サービス、車内でよく眠れるように耳栓とアイマスクの提供など、各社とも個性的なサービスを競っている。
 ネット上で高速ツアーバスの予約を扱う「楽天トラベル」では、各社の料金や座席タイプ、サービス内容が比較できる。実際の乗り心地など利用者の口コミ情報も紹介しているので、予約時の参考になる。
 国土交通省によると、高速バス利用者は年間約8000万人に上り、ガソリン価格の高騰で行楽の足としても注目が高まっている。楽天バスサービスの成定竜一マーケティング部長は「飛行機のエコノミーやビジネスクラスのように、バスもさまざまなタイプを選べる時代になった。サービスと時間、快適さや料金を吟味して、上手にバス旅を楽しんでほしい」と話している。

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