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2008年09月13日(土) 19時11分

「18歳成人」に約8割が反対 高額商品購入の契約で 内閣府調査産経新聞

 内閣府は13日、民法が20歳と定めている成人年齢の18歳への引き下げなどに関する世論調査の結果を発表した。それによると、親の同意なしに高額商品を購入できる年齢を18歳に引き下げることについて、8割近くが反対していることが明らかになった。
 憲法改正手続きを定めた国民投票法が投票年齢を18歳からと定めているが、18歳を成人と見ることに否定的な考えが多いことが浮き彫りになった。今回の調査結果は、成人年齢の引き下げをめぐり法改正を検討している法制審議会(法相の諮問機関)への議論にも影響を与えそうだ。
 調査は7月、全国の18歳以上の男女5000人を対象に実施され、3060人が回答した。
 それによると、親などの同意を得なくても高額商品を購入できる年齢を18歳とすることに、「賛成」「どちらかといえば賛成」が19・0%、「反対」「どちらかといえば反対」は78・8%だった。親が住む場所を決めたり財産を管理したりする親権に服する年齢を18歳に引き下げることは、賛成が26・7%、反対が69・4%だった。
 ただ、1人で契約できる年齢の引き下げに関し「反対」と答えた人のうち、4割以上が教育の充実や消費者保護の強化を条件に容認する考えを示した。法務省は、「成年年齢を引き下げるための条件整備も法制審の審議対象。今回の調査結果も踏まえて審議することになる」としている。
 一方、子供が大人になる条件(複数回答可)については、「自分がしたことに責任をとれること」が最も多く74・4%。「肉体的な成熟」は7番目の22・6%にとどまった。
 一方、「現在の18〜19歳にあてはまること」(複数回答可)については「肉体的な成熟」が最多で52・7%。「自分がしたことに責任をとれること」は17・0%にとどまり、18〜19歳はまだ、「大人」とは認識されていない現実が浮かび上がった。
 法制審は今年2月に鳩山邦夫法相(当時)が民法で定める成人年齢を20歳から引き下げる是非について諮問されたのを受け、年内をめどに方向性を打ち出す方針。民法では、20歳以上の成人は、パソコンの購入やクレジットカードの申し込みなど、高額商品の購入契約を親の同意を得ずに1人でできるが、未成年者は親などの同意が必要となっている。

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