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2008年09月13日(土) 10時27分

パラリンピック 車いすバスケで日本快進撃 網本が大活躍毎日新聞

 【北京・石丸整】北京パラリンピックで車いすバスケットボールの日本代表女子が快進撃を続けている。予選リーグは4戦全勝。12日の決勝トーナメント準々決勝でも英国を45−38で下した。これまで5試合でチーム最多の98点を挙げているのは、最年少の網本麻里選手(19)=大阪市。英国戦後「走り回らないと体が大きい外国人チームに負けてしまいますから」と顔をほころばせた。

 1点をリードされ残り2分3秒。網本選手が3ポイントシュートを決めた。「パスをもらった瞬間、打つしかないと思った」。逆転。162センチの体で、ボールがリングに吸い込まれると同時に相手のマークに走る。そのままリードを保ち、準決勝進出を決めた。

 生まれつき右足つま先の骨が内側に折れ曲がるように変形する障害があった。小学3年の時に友達に誘われてミニバスケットを始めたが、激しい運動を続けると、脚全体に痛みが出た。バスケット部の主将だった中学2年の夏につま先の骨を切る手術をし、右脚を引きずるようになった。医師から「もうバスケはできない」と言い渡された。

 五輪に出るのが夢だった。「マネジャーになろうかな」と考え始めた時、母恵子さん(54)が地元の障害者スポーツセンターに相談してくれ、競技と出会った。

 京都市の女子クラブチームで練習を重ね、高校1年の時に高校生で初めて日本代表に選ばれた。昨春、大阪国際大に進学してからは、放課後に1人で3〜4時間かけてシュート練習と走り込みをする。

 「バスケットはチームみんなが喜べる瞬間が好き」。一つのナイスプレーが全員を盛り上げる。「金メダルを取ることしか考えていない」。決勝進出がかかる13日のドイツ戦しか見えない。

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