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2008年09月12日(金) 21時11分

麻生氏、赤字国債には慎重…自民総裁選討論会スポーツ報知

 自民党総裁選で先行する麻生太郎幹事長(67)は12日、日本記者クラブ主催の公開討論会で「明らかに財政出動が必要。税制もその一つだ」と指摘し、当面の景気対策として研究開発分野の設備投資減税や住宅取得税の減免を挙げた。財源に関しては「赤字公債と言ったことはない。特別会計の積立金のいくつかは使えるようにしてもいい」と述べ、いわゆる埋蔵金の活用を検討する考えを示した。

 基礎的財政収支(プライマリーバランス)を2011年度に黒字化させる政府方針については、経済情勢の悪化に触れ「目標をつくったときと前提条件が変わっている」と先送りを示唆。社会保障費の伸びを毎年2200億円圧縮する方針も「限界にきている」と述べた。

 新総裁、首相に就任した場合の党役員・閣僚人事に関しては「総裁選が終わったら総選挙を戦うために手をつなぐべきだ」とし、ほかの4候補を起用する可能性に言及した。またインド洋での給油活動継続方針を明言、自衛隊の海外派遣を随時可能にする恒久法制定の必要性も指摘した。

 与党内では10月上旬の臨時国会冒頭解散論が強まっているが、与謝野馨経済財政担当相(70)と石破茂前防衛相(51)は経済対策などの実施を優先すべきだとして来年9月の任期満了選挙を選択肢に挙げた。

 石原伸晃元政調会長(51)はガソリンにかかる揮発油税の国税部分の減税を提唱。消費税、法人税、所得税を3年間で総合的に見直す意向も示した。小池百合子元防衛相(56)は小泉構造改革路線の継承を表明し「霞が関をぶっ壊す」と公務員制度改革に取り組む考えを強調した。

 石破氏は中央省庁の再々編や地方分権推進に取り組む考えを表明。与謝野氏は「日本を持続可能な社会にする」として財政再建、税制改革、社会保障制度の維持を重要課題として挙げた。

http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20080912-OHT1T00222.htm