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2008年09月12日(金) 13時29分

宮内元取締役、二審も実刑…ライブドア粉飾決算スポーツ報知

 ライブドア(LD)の粉飾決算事件で、旧証券取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載など)の罪に問われた元取締役宮内亮治被告(41)の控訴審判決で、東京高裁は12日、懲役1年8月(求刑懲役2年6月)の一審判決を破棄、懲役1年2月を言い渡した。

 中川武隆裁判長は一審同様、一般投資家を欺いた悪質性に触れ「最高財務責任者として主導的な立場にあった」と宮内被告の役割を重視。

 株主との和解などを理由に刑を軽くしたものの、元社長堀江貴文被告(35)=一、二審で懲役2年6月、上告=に続き、実刑は免れないとの判断を示した。

 弁護側は「捜査にも協力してきた。ほかの粉飾決算事件と比べ悪質性も少ない」と、執行猶予を付けるよう求めていた。

 判決は「計画的にLDの株価上昇と時価総額の拡大を追求したもので、情報開示制度への信頼を揺るがし、証券市場や社会に与えた影響は大きい」と、LDの“錬金術”を批判。宮内被告については「問題点を指摘した公認会計士をおさえつけて実行し、高額の報酬も得ていた」と、刑事責任の重さを強調した。

 その上で、反省していることや一審判決後にLDの株価暴落で損害を受けた一部の個人株主と民事上で和解したことなどを挙げ「減刑するのが相当だが、執行猶予は付けがたい」と結論付けた。

 判決によると、宮内被告は堀江被告らと共謀。LDの2004年9月期連結決算で、LD株売却益や架空利益を不正計上し約53億円を粉飾。また関連会社が買収する出版社の価値を過大評価し、関連会社の虚偽の業績を発表した。

http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20080912-OHT1T00170.htm