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2008年09月12日(金) 19時52分

三鹿集団の粉ミルク事件、原乳に毒物を故意に混入かサーチナ・中国情報局

 12日付新華社電によると、乳幼児に腎臓結石患者が多数出た三鹿集団の粉ミルク事件で、同社本社がある河北省石家荘市当局は8月中に原料乳に何者かが故意に毒物のメラミンを混入させた事件と判断し、同市公安(警察)も捜査を進めていたことが分かった。

 同電によると、三鹿集団は2008年3月以来、消費者から同社製品を使用した乳幼児の◆尿が濁る◆尿中に顆粒がある——などの連絡を受けた。6月中旬には多くの乳幼児が腎臓結石を発症して医療機関で治療を受けているとの情報も得た。

 同集団が製品の品質検査を繰り返したところ、8月上旬に製品からメラミンを検出したため、石家荘市の関連部門に報告した。市共産党委員会と市政府は緊急会議を行い、疑いがある製品の全面回収とメラミンを含む製品が再度市場に出回ることの絶対阻止を同社に指示。さらに、関係部門が調査した結果、メラミン混入は人為的に行なわれた「事件」と断定した。

 同市公安は9月12日朝までに、事件に関係する可能性がある78人に事情を聞くなど、捜査を進めている。

 三鹿集団は9月10日までに、問題がある粉ミルク2176トンを封印。すでに出荷された8210トンは回収。さらに約700トンは回収作業中という。また、8月5日以降はメラミンを含んでいないことを確認した上で、粉ミルクを出荷しているという。

 メラミンは窒素を多く含む物質で、食品に加えると通常の検査では、同じく窒素を含むたんぱく質の含有量が実際よりも多く表示される。そのため三鹿集団の粉ミルクでは、原料乳を水増しすると同時にメラミンを加えて品質検査をパスしようとした、営利目的の犯罪行為があったとみられている。

 中国では07年春、中国から輸出されたペットフードにメラミンが含まれていたことで、米国などでペットが死亡する事件があった。

 中国各地で三鹿集団の粉ミルクを使用した乳幼児に腎臓結石が多発してることが明らかになったのは、9月8日の甘粛省蘭州市での医師の発言がきっかけ。新華社電は、石家荘市当局が8月に問題が明らかになった時点で広く注意を呼びかけなかった理由は伝えていない。

 写真は三鹿集団製品が撤去された北京市内のスーパー店内。12日付で中国新聞社が配信。(編集担当:如月隼人)

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