記事登録
2008年09月12日(金) 19時35分

私の実行した的外れな節約オーマイニュース

■1日4リットルの水、なんという無駄であろうか

 私は、食後3回と就寝前の合計4回、必ず歯磨きをする。と聞けば、たいがいの人は、私がいかにも立派な歯の持ち主のように思うかもしれないが、実際はそうではない。この健康な歯の見本のような歯磨きをしているのには、理由がある。数年前に奥歯が痛くて歯科医院で治療を受けた際、医師から「1日3回、しっかり歯磨きしないと総入れ歯になりますよ」と脅迫されて以来、仕方なく続けているに過ぎない。

 実際の私の歯と言えば、色はお世辞にも白とは形容し難く、どちらかと言えば黄色に近く、また歯と歯のすき間もかなりのもので、食べかすが歯に詰まって食後の歯間ブラシを欠かすことができない。おまけに強度の歯槽膿漏(のうろう)のため、歯茎や歯の根っこがやせ細って歯がぐらつき気味で、ひとたび冷たい食べ物や飲み物が奥歯に接しようものならば、飛び上がらんばかりの激痛に襲われる始末だ。

 このような状態だから、食後の歯磨きはぬるま湯でないとできないありさまだ。

 だが、蛇口からすぐお湯が出るとは限らない。たいがいは、蛇口の水がぬるま湯になるまでにはかなりの時間を要する。お湯を供給するボイラーから洗面所までは、それ相応の距離があるからである。当然、希望する温度になるまで、蛇口の水は排水管の中へと消えることになる。

 しかし、この水量がばかにならない。試しに計ってみたら、優に1リットルはある。この作業を1日4回するのだから、計算上、1日4リットルの水がむざむざ捨てられることになる。なんという無駄であろうか。

■ペットボトルを利用!

 そこで思いついたのが、この水を水洗トイレに利用する計画だ。トイレで用を足した後で流す水は、便座の後ろに設置してあるタンクから供給される。このタンクに、例の水を補給しおうというアイデアだ。

 この計画の一番のポイントは、この水をくんでためる容器だ。その容器は、その軽さや入手の手軽さなどから、ペットボトルに決まった。だが、約1 リットルという1回当たりの水量や、4回の歯磨きの回数などを考慮すると、より大きなペットボトルの方が、利便性が高いことが分かった。そこで白羽の矢が立ったのが、焼酎の特大サイズの4リットル詰めペットボトル。これなら、頻繁にタンクに移し変える必要もなく、1日分の水量がこの1本で済むことになる。おまけにこのペットボトルは、わが家では簡単に調達できるのだ。

 こうして見事に4リットルのペットボトルに収められた1日分の水は、翌日の朝食後、晴れてトイレへ持参されることになる。

 その作業手順はこうだ。トイレでの本懐を遂げた後、速やかに便座を締める。次に、タンクのふたを開ける。このふたの材質は陶器製のためかなりの重さなので、慎重な取り扱いが必要だ。ここからがポイントになる。洗浄スイッチを操作する前に、例のぺットボトルのふたをはずしてタンクに入れる準備をしておく。

 そして、この体勢を維持した状態で洗浄スイッチを入れる。同時に、一気にタンクの水が流れ出す。タンクの水が一掃されると、タンクの底にある弁が閉じ、自動的にタンクの中へ水が供給される。このタイミングを逃さないで、ペットボトルの水をタンクに投入することが肝心だ。これが一連の作業の一部始終だ。

 このように、これは捨てられる運命にある水を再利用する、水の節約方法のひとつには違いないが、もっと前から歯の手入れをしてさえいれば歯槽膿漏にならず、水でうがいすることも可能だったわけで、もとをただせば節約でもないんでもない。

 私の実行した、この「疑似節約」の前に、歯などの身体のメンテナンスの怠慢という節約は慎むべきことなのかもしれない。

(記者:藤原 文隆)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080912-00000002-omn-peo