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2008年09月12日(金) 20時29分

「まさか自分の職場に…」盗聴器を発見した男性職員産経新聞

 大阪府教委内に仕掛けられた盗聴器。一体だれが何の目的で仕掛けたのか。盗聴器発見の報が駆けめぐった12日、府教委内に不安と疑念が広がるなか、発見時に立ち会った男性指導主事(48)が当時の様子を語った。

【写真で見る】これが問題の盗聴器

 11日午後11時15分ごろ、府庁別館5階の高等学校課内で帰り支度をしていた主事のもとに、民放のテレビクルーら5、6人が4階の交通道路室の職員3人とともにやってきた。
 「階下の4階で調べたが、5階に盗聴器が仕掛けられているおそれがある」
 突然の訪問にわけが分からなかったが、盗聴器発見業者がハンディータイプの受信機を手に、「生徒指導グループ」のある机に向かって歩いていくと、受信機から流れる音が次第に大きくなっていった。
 「ここです」。業者が手袋をはめた指で、机の上の電源コンセントにさされた小型タップをトントンとたたくと、受信機からも同じように音が聞こえた。
 「これが盗聴器。取ってもいいですか」と主事に許可を得て、業者がタップを抜くと、音は聞こえなくなったという。
 業者は慣れた手つきでタップを分解し、タップ内にしこまれた盗聴器の基盤を主事に示してみせた。その後、タップを元通りに組み立て、持参したポリ袋に入れ、主事に手渡した。
 主事は1階の宿直室に電話を入れたが、「対応できない」と返答されたため、盗聴器を一旦持ち帰り、12日午前8時ごろ、生徒指導グループの職員に渡したという。
 テレビクルーがやってきて盗聴器が発見されるまでの時間はわずか10〜15分程度。主事は「テレビでみたことはあるが、まさか自分の職場に盗聴器がしかけられているなんて思いもしなかった」と今でも信じられないといった表情だった。

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