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2008年09月12日(金) 03時41分

フリースクール暴行 寝込み襲い恐怖心植え付け産経新聞

 京都府京丹波町の「丹波ナチュラルスクール」虐待事件で、入所予定者を自宅から手錠をかけて無理やり連れ出す方法は、経営者の朴聖烈容疑者(60)自らが考案していたことが11日、府警の調べで分かった。

 寝込みを襲って行き先や目的を言わずに施設まで移送し、到着した直後に暴行を加えていたことも判明。府警は朴容疑者が暴力による恐怖感を最初に植え付け、入所者をコントロールしていたとみている。

 調べでは、施設職員は3人一組となって、入所予定者が自宅で就寝中の深夜か、日中に児童相談所の施設から出てくるところを狙い、数分間で手際よく車に押し込み連れ去っていた。

 車内では職員が「お前は悪いことをした」と告げる以外は何も説明せず、「どこへ連れて行かれるか分からず、不安だった」と話す入所者もいるという。

 一連の方法は朴容疑者が発案。施設に到着したばかりの入所者にいきなり暴力を振るっていたのも朴容疑者だったという。入所者の多くは「何を言われてもすみませんとしか言えず、抵抗もできなかった」と話している。

 施設側は連れ去り方法などについて事前に保護者から了解を得たとしているが、「こんなひどいとは思わなかった」と話す親もいるという。

 この事件にからみ、平成17年に施設の車で移送される途中の交通事故で死亡した入所者の少年=当時(15)=の両親が、施設側の運転手らに計約4700万円の損害賠償を求めて京都地裁に提訴していたことも判明。

 両親側は「無謀な運転で事故が起きた」と主張、運転手側は「嫌がる少年がハンドルを引っ張った」と反論している。判決は24日に言い渡される。

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