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2008年09月12日(金) 03時05分

自民総裁選で町村派に亀裂、麻生・小池支持で二分読売新聞

 自民党総裁選の対応をめぐり、町村派の亀裂が一段と鮮明になってきた。

 代表世話人の中川秀直・元幹事長が11日、同派の小池百合子・元防衛相支持を表明したのに対し、町村官房長官は、麻生太郎幹事長支持を明言した。

 森元首相や安倍前首相らも麻生氏支持で派内のとりまとめに動いており、「中川包囲網」の様相も見せている。

 ◆中川包囲網◆

 この日、中川氏は立会演説会の後、記者団に対し「小池さんを中川個人として今からしっかり応援していく」と語った。「改革路線を進化、発展させる旗印を持たないと、次の総選挙では支持は得られない」とも指摘した。

 中川氏は構造改革を堅持するとともに、経済成長で経済のパイを大きくして増税を回避する「上げ潮派」だ。構造改革より景気対策を優先する麻生氏とも、増税をためらわない与謝野馨経済財政相とも立場が違う。

 これまで、代表世話人の立場を考慮し、表だった行動を控えてきたが、小池氏の支持が広がりに欠けるため、旗印を鮮明にしたと見られる。今後、山崎派の武部勤・元幹事長が率いる政策研究グループ「新しい風」と連携し、選挙運動を進める構えだ。

 ◆政局第二幕◆

 しかし、町村派では、麻生氏支持の流れが急速に強まっている。

 町村氏や同派事務総長の中山成彬・元文部科学相、尾身幸次・元財務相らは11日午前、党本部にひそかに集まり、麻生氏支持の選挙対策本部を派内に発足させることで一致した。

 尾身氏は同日昼の総会で、「麻生選対」の設置を明かし、「森、安倍、町村各氏と谷川秀善参院議員が顧問だ」と説明した。これに対し、小池氏の選対本部長を務める衛藤征士郎・元防衛長官が「派閥の縛りをかけないと決めていた。断固、設置すべきではない」と異論を唱えた。結局、麻生選対の設置は報告事項で、派として了承したわけではないということでその場はおさまった。

 同派の参院議員らは同日夜、都内のホテルに集まり、他候補の推薦人となった議員以外は麻生氏を支持する方向でまとまった。同派参院幹部は「27人のうち20人以上が麻生氏支持だ」と語った。

 中川氏は周囲に「総裁選は政局の第一幕で、衆院選が第二幕だ」と漏らし、衆院選にあわせて、民主党を巻き込んだ政界再編を視野に入れている。今回の小池氏支持の動きが、その第一歩との受け止めがある。もっとも、小池氏を支持する議員にも「離党とか、派閥離脱など考えていない」などと、冷めた声も少なくない。

http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20080912-OYT1T00134.htm