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2008年09月12日(金) 12時30分

三浦元社長 身柄をロスに移送する決定 サイパンの裁判所毎日新聞

 【ロサンゼルス吉富裕倫】米自治領サイパンの裁判所は12日、ロス銃撃事件の殺人と共謀容疑でサイパンで逮捕・拘置されている元輸入雑貨販売会社社長、三浦和義容疑者(61)の人身保護請求を棄却し、身柄をロサンゼルスに移送する決定を出した。ロサンゼルス郡地検の関係者が11日(日本時間12日)、明らかにした。

 同地検は三浦元社長の身柄について、26日のロサンゼルス郡地裁の次回審理に間に合わせるように移送準備を進める方針で、12日に移送の時期や方法についてロサンゼルス市警と協議を行う。

 逮捕から半年を超え、サイパンの捜査当局が長期拘置に対する不満を高めていたことから、同地検内部では、サイパンの裁判所が移送を認める判断を示すのではないかとの観測が高まっていた。

 検察関係者は「三浦元社長の身柄がロサンゼルスに来れば、審理が早まることになるだろう」とサイパンの裁判所の決定を歓迎。一方で「移送の有無にかかわらず、次回26日のロサンゼルス郡地裁の審理で、逮捕状無効申し立ての決定が出るはず」との見通しを示した。

 ◇現地の弁護団がサイパンの上級審に抗告の手続き

 三浦元社長の日本での主任弁護人を務めた弘中惇一郎弁護士は12日午前11時半から都内の事務所で会見。メディアからの連絡で決定を知ったといい、現地の弁護団がサイパンの上級審に抗告の手続きを行ったことを明らかにした。

 弘中弁護士は「この段階での身柄移送は法的には可能だが、上級審の判断を仰いでからになるのではないか」と、すぐには移送にならないとの見通しを示した。そのうえで「ロサンゼルス郡地裁がサイパンにいたままでの審理を認めているのに、サイパンの裁判所の判断は不合理で残念だ」と述べた。

【佐々木洋】

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