2008年09月12日(金) 16時06分

痴漢…潔白の叫び　映像’０８「彼女は嘘をついたのか」　毎日放送　１４日深夜（産経新聞）

　毎日放送は、痴漢の罪に問われ、潔白を証明しようと活動する男性を取り上げたドキュメンタリー「映像’０８『彼女は嘘をついたのか』」を１４日深夜（１５日前０・３０）から放送する。

　痴漢をしたとして強制わいせつ容疑で逮捕され、懲役１年６月の実刑判決を言い渡された小泉知樹さん（４０）。刑期を終えて出所後、冤罪（えんざい）を訴え、再審請求の準備を進めている。

　８年前に通勤電車内で女子高校生に「痴漢です」と指摘された小泉さん。「痴漢に間違えられた」という訴えは、警察官にも、裁判官にも聞いてもらえなかった。

　ディレクターの里見繁は「痴漢はある種の密室犯罪。にもかかわらず、被害者の女性の供述だけに頼り、十分に調べられていないケースが多い」と指摘する。小泉さんは体験をまとめた本「彼女は嘘をついている」を出版。周防正行監督が痴漢をめぐる刑事裁判を扱った映画「それでもボクはやってない」のモデルの１人にもなった。

　番組では、現在、周防監督も加わった弁護団が、小泉さんが痴漢とされた供述の矛盾点をつこうと、当時の様子を再現・映像化する活動などを紹介。小泉さん以外にも潔白を証明しようと活動している男性４人を追い、捜査や刑事裁判の実情、名誉回復の難しさを伝えている。

　「（被害者の）ひとことがその後の人生をめちゃくちゃにした」という小泉さん。痴漢は女性を狙った悪質な犯罪だが、一方で、いわれのない理由で痴漢にされた人の人生はある日突然変わる。里見は「裁判も簡単に処理されていて、番組を通して『簡単に判決出せますか』と裁判官に聞きたい」と話していた。（池田祥子）

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