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2008年09月12日(金) 22時27分

<事故米転売>福徳長酒類社長「国は管理強化を」毎日新聞

 三笠フーズによる事故米の転売問題を巡り芋焼酎の自主回収を始めた酒造会社「福徳長酒類」(東京都中央区)の酒井憲之社長は12日、都内で記者会見を開き「ご迷惑をおかけしました」と謝罪した。一方で、ミニマム・アクセス(最低輸入義務)枠に基づき国が輸入した米が事故米のもとになっていることから「事故米を野放図に(放置)していたのではないか。国は管理を強化、徹底すべきだ」と批判した。

 国は中国、ベトナムなどから米を購入。カビや殺虫剤などに汚染された事故米が発生すると非食用として売却する。三笠フーズは04年2月〜08年8月、約1779万トンを買い受け約12社に転売した。

 酒井社長は「信用していたので、どこから仕入れた米かチェックしていなかった」と問題があったことを認めた。今後有害物の有無を調べる検査を検討するとし、国について「非常に怖いものを野放図にしていたのではないか。極論だがそう思えて仕方がない。もう少し厳しい検査をしてほしい」と語った。

 福徳長酒類は12日、6商品約8万本の自主回収を発表した。三笠フーズが転売した事故米が、仲介業者を経て西酒造(鹿児島県)に渡り、西酒造が事故米を原料に原酒を製造。福徳長酒類が自社の原酒とブレンドして製品化していた。西酒造も自社生産の芋焼酎「薩摩宝山」を自主回収し、西酒造から原酒を購入したアサヒビールも「かのか」など9商品を自主回収中。【林哲平】

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