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2008年09月12日(金) 21時26分

<事故米転売>保育園で緊急保護者会「親知らぬ間に子供が」毎日新聞

 子どもたちが口にしていた米の残りから、殺虫剤・メタミドホスが検出された−−。汚染米転売問題で12日、メタミドホスが検出された米を仕入れていた京都市内の保育園と老人保健施設。市は「人体に影響はない」としているが、この保育園は同日夜、緊急の保護者会を開催。「何を信じたらいいのか」。関係者は一応に困惑し、対応に追われた。

 上賀茂保育園ではメタミドホス検出の連絡を受け、園児を迎えに来た保護者に向けに経緯を説明する張り紙を入り口に掲示。説明会は保育園の本館1階ホールで午後7時半から約1時間開いた。

 出席した保護者はショックを隠せない様子。長女(5)を通わせている女性看護師(34)は「親の知らないところで目に見えないものが子供の中に入っていた。『体内に入っても安心な量だ』と説明されても安心できないが、今は大丈夫という園側の説明を信じたい」と言葉少なだった。

 長男(2)を通園させている宇佐美愛子さん(36)は夫(35)が焼酎「薩摩宝山」の愛飲者。「夫に続き、まさか子供にも影響が及ぶなんて」と驚きながら、「悪質なのは業者。保育園は防ぎようがない。これからの先の園の対応を見守りたい」と話した。二男(3)を通わせている著述業の長尾庸子さん(35)は「三笠フーズ(の関係者)は人間として最悪。絶対やってはいけないことだ」と憤っていた。

 保育園では汚染米を07年12月から4回、購入しシューマイやちまき、赤飯に使った。今回、メタミドホスが検出された米は8月28日に赤飯用に仕入れた5キロの残りで、赤飯は園児約140人と職員約30人が食べたという。保護者会ではこうした経緯と、市から検出されたメタミドホスは微量で食べても問題はないと説明されたことなどを話したという。

 一方、メタミドホスが検出された米があった京都市中京区の介護老人保健施設「洛和ヴィライリオス」では、6〜9月の毎月1日の4回、いずれも入所者と職員の計約150人が昼食として赤飯を食べ、7月2日と8月8日の2回、同計約95人がおやつとしておはぎを食べたが、この日までに体調不良など異常の訴えはないという。

 同施設を経営する医療法人社団「洛和会」の松田義史・主席課長は「入所者へは不安を取り除く説明をしていきたい」と話した。

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