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2008年09月12日(金) 21時08分

事故米転売 発覚後も「国産」の虚偽証明書…三笠関連会社毎日新聞

 米卸売加工会社「三笠フーズ」(大阪市北区)の汚染米転売問題で、関連会社の米穀卸売会社「辰之巳」(東京都中央区)が問題発覚後も、汚染米販売先の焼酎メーカー「美少年酒造」(熊本県城南町)に対し、「国産米100%」という虚偽の産地証明書を送っていたことが分かった。辰之巳は食用米の卸業務に実績があることから、三笠フーズが、信頼できる取引を装うため辰之巳を流通過程に関与させる一方、辰之巳の名を使って虚偽の文書を流すことで隠ぺいを図ろうとしていたとみられる。

 辰之巳の社員は約10人。社長は、三笠フーズの冬木三男社長で、民間調査会社によると、三笠フーズ社員の大半が辰之巳からの出向社員であるなど、両社の関係は極めて強い。

 農水省などによると、三笠フーズが出荷した米のうち、辰之巳は、殺虫剤「アセタミプリド」とカビ毒「アフラトキシン」に汚染された米の流通に関与。殺虫剤汚染米は辰之巳を経て美少年酒造に販売された。問題発覚後、美少年酒造は辰之巳に対して産地証明書の発行を要求。辰之巳はこれに応じ、今月8日、産地証明書を送ったが、「国産米100%」と記されていたという。その際、「事故米は一切入っていない」と美少年酒造に伝えたという。

 美少年酒造に販売したのはベトナム産うるち米だったが、三笠フーズは「国産米」と偽って販売していた。また、書類上は辰之巳が販売したことになっているが、実際は三笠フーズの九州工場(福岡県筑前町)から直接運ばれていたという。

 美少年酒造の緒方直明社長は「『国産米を』とお願いしていたのに、外国産の事故米だった。怒りを覚えている。損害賠償請求や刑事告訴についても弁護士と相談する」と話している。【一色昭宏、根本毅、宮地佳那子】

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